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「リッチスタン」とは何か(19)

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(19)多国籍企業が「リッチスタン」を推し進める

 「リッチスタン」はロバート・フランク記者が使った造語で、資産100万ドル以上の新富裕層が創る仮想国家を意味する。そこに住むリッチスタン人は、国家に属さず税金を納める必要がない。リッチスタン人は特定の国家や社会に属さない。彼らは世界的グローバル企業の創業者、あるいは経営者で、ケイマン諸島、ヴァージン諸島、アンギラ、バハマ等々のタックス・ヘイブンという租税回避地を利用する。そこは合法的脱税が赦された地で、株の売却益も非課税のため、莫大な利益を回避地に置きながら投資運用を推し進める。

 タックス・ヘイブンの特徴は、「まったく税を課さない」「名目的な税しか貸さない」「情報公開をしない」「透明性がない」「企業などの実質的な活動が行われることを要求しない」である。

 アメリカの法律では、会社の設立地がどこかで課税するが、アイルランドでは会社をコントロールする拠点がどこかで課税する。営業実態がアイルランドにない会社には税金がかからず、所在地がアイルランドでも、別の国から操作している会社には税金がかからない。これを「ダブルアイリッシュ」といい、課税の違いを利用して、A社はアメリカとアイルランド両方から課税されない合法的税逃れを行う。結果、A社はアメリカの法人税率35%に対し2%以下の税率で済み、利益の6割を占める海外の販売利益もアイルランド子会社に集中させ、利益をロイヤリティ支払の名目でオランダから、タックス・ヘイブンのバミューダに移す。この構造を「ダッチサンドウィッチ」という。

 ダブルアイリッシュを例にすれば、「アイルランド以外で納税してください」の納税先をバミューダにするだけで合法的脱税を可能とする。

 S社は、世界60か国に事業展開する巨大C専門店で知られるが、イギリスだけでも700店舗ありながら、15年間の14年は、ずっと損失を計上して税金逃れを行っていた。その方法は、スイスの子会社から高いC豆を買い取る形を装い、イギリスでの利益をhw裸子、オランダの欧州本社にブランドの知的財産権を移して、巨額のロイヤリティを支払う仕組みでイギリスでの利益を皿の減らして納税義務を免れている。もちろん、S社はアイルランド経由バミューダ着のダッチサンドウィッチも行っている。

 彼らが目指す世界は、超弩級巨大財閥が住むリッチスタン帝国であり、99%の一般人、弱者、貧困層は、旧世界に置き去りにし、奴隷のように扱ってもよいとする。もちろん、人口が多い日本人も例外ではない。日本人のほとんどは、何の警戒感もなく準備もしていないため、瞬く間に駆逐される運命にある。

 


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