(4)アメリカは国防軍(旧・自衛隊)をホルムズ海峡で実践に巻き込む!
2015年4月28日未明、安倍首相とオバマ大統領は「日米共同ビジョン声明」を記者団の前で声高らかに宣言した。それは戦後の日米関係が「対米従属」なら、日本の高度経済成長時代が「対等の時代」であり、冷戦終結後から「協調の時代」に入り、安倍・オバマ会談から「協働の時代」に移行したことを意味した。
その骨子は、さらなる「日米同盟」の強化である。「日米防衛協力」のガイドラインを18年ぶりに改定し、硬直状態だったTPPの早期妥結を確認したことである。これで、日本は世界規模の分野で、アメリカと責任を共有し、痛みを伴う具体的な行動を行う局面に突入したことになった。この安倍・オバマ会談は、日本にとって極めて重大な歴史的転換だった。極論すれば、自衛隊はアメリカ軍の傘下に完全に組み込まれたことになる。
もちろん、安倍首相は国会答弁で、非戦闘地域と戦闘地域の間に今より踏み込むが、戦闘地域になれば撤退すると答え、日本のライフラインであるホルムズ海峡の機雷除去が後方支援の意味という。しかし、残念ながら詭弁である。現代戦においてミサイルの射程距離は格段に向上し、破壊力も大きくなっている。
仮に、ホルムズ海峡に海上自衛隊が入った場合、間違いなく戦闘に巻き込まれ、結果として専守防衛から反撃する事態に陥り、容易に一線を越えてしまうからである。かくして日本は、アメリカが企む中東で勃発する第3次世界大戦のど真ん中に引きずり込まれ、ライフラインの確保から自衛隊をアメリカに差し出すことになる。その返礼として、オバマ大統領は国際社会の平和と繁栄に貢献してきた日本を讃え、アメリカとの「和解の規範」とした。
さらに、「太平洋戦争」で最大の敵だった日本を「不動の同盟国」に位置づけ、歴史的問題を抱える韓国に強烈な一撃を与えた。韓国は「従軍慰安婦問題」で一大キャンペーンを張り、オバマ大統領から日本へ莫大な賠償金を払うように促そうとしたが、オバマ大統領は会見時間の四分の一を「黒人暴動問題」に割き、韓国の民族問題がアメリカの人種問題と入れ替わった。これは、アメリカの巧妙な作戦で、日本への最大級のプレゼントだった。
安倍首相の「上下院合同会議」でのスタンディングオベーションを受けるほど大喝さいを浴び、その前の4月24日、中国へ飛んだ安倍首相は、韓国をしり目に周近平国家主席と「日中首脳会談」を行った。2014年11月と違い、和やかな雰囲気で友好ムードが醸し出された。そんな状況に韓国の朴大統領は過労による咽頭炎と胃痙攣で緊急入院し、韓国国民から無能外交と批判を浴びた。そこで、朴大統領は、歴史問題を一時棚上げし、「日韓通貨スワップ協定」で韓国を援助するよう日本に提案した。
元々、韓国が「慰安婦問題」で一歩も譲らない安倍首相に歴史捏造攻撃を仕掛けた結果、その報いとして緊急時に通貨を融通しあうシステムを日本側が打ち切った経緯がある。それを韓国政府が経済界を使って復活させようとしたのだから恥も外聞もない。デフォルトで消える国をのさばらさせておく必要などなく、日本が助ける義務もない。
これからの日本は、アメリカから途方もない責任を背負わされる運命にある。韓国に構っている余裕などどこにもない。そんな大変な事態が日本の目前に迫っているからである。