(3)アメリカの対日戦略は多重目的だった!
1947年、国連でパレスチナを「ユダヤ国家」「アラブ国家」「国連関連管理地区」に3分する分割案が採択され、その決議をユダヤ側は承諾したが、アラブ側は拒否し、翌1948年5月14日、イギリスによる委任統治期間が終了した為、テルアビブで初代首相ベングリオンによって、イスラエルが建国された。
その後、「第1次中東戦争」に勝利したイスラエルは、1967年6月7日、「六日戦争」でエルサレムの旧市街を制圧した。その日がユダヤ暦5727年の「イヤルの月」の28日だった。この日は、「エルサレム・デー」として今でも国中で祝われている。2014年4月15日~2015年9月28日にかけて、イスラエルでは日食と月食が起きていた。紀元後にユダヤの祭礼日と日食・月食が6度以上重なった時が3度ある。
1度目→紀元32年~33年・・・・イエス・キリストの磔刑
2度目→1948年~50年・・・イスラエル建国
3度目→1967年~69年・・・エルサレム奪還
そのことから、イスラエルは稀有な天体配置を天啓とし、第3神殿を建設しようと考えるのが当然である。事実、過去の第1神殿と第2神殿の建設も「イヤルの月」だったからである。「イスラエル建国」、「エルサレム奪還」でホップ、ステップまできた以上、最後のジャンプを「第3神殿建設」で叶えたいはずである。
既にネタニヤフ首相が「ユダヤの家」と連立を組んだ5月6日が「イヤルの月」なのである。それだけではない。アメリカのジョン・ケリー国務長官が、東エルサレム地域を「聖地の統治を担当する国際信託統治」の下に置くことを提案した。さらに、ケリー国務長官は、この国際信託統治の中に、トルコとサウジアラビア、そしてバチカンを加えるように提案した。
イスラエルはケリー発言を全面拒否し、特にトルコが参加することを問題視した。そこでケリー国務長官は、トルコの代わりにヨルダンを提案したが、これがオバマ大統領のパレスチナ国家建設問題解決の政略だった。なによりも問題なのは、当時のオバマ大統領がバチカンを加えたことである。
以前から、バチカンは宗教の統一と巨大世界宗教を目指す「ワン・ワールド運動」を展開していたからである。バチカンはエルサレムを、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教に分割し、国際管理下に置こうと考えていた。そして世界3大宗教の聖地であるエルサレムを手に入れたかった。そうなると、アメリカはバチカンと組むことになり、本格的に祭礼一致の「新世界秩序」を担うことができる。つまり、闇の権力が乗りだし、武力による「世界統一政府」が樹立した段階で、新世界秩序の首都をエルサレムに置き、その象徴に第3神殿建設を考えていたと思われる。
これは、やがて世界の首都となる都の乗っ取りである。そうなれば、その中心に建つ第3神殿に座る者が世界支配者となる。→聖書は、それを「偽メシア」と断定し、「獣」や「荒らす憎むべき者」と記している。
「彼は1週の間、多くの物と同盟を固め、半周で生贄と献げ物を廃止する。憎むべきものの翼の上に荒廃をもたらすものが座す」(ダニエル書」第9章27節)
「預言者ダニエルの言った憎めべき破壊者が、聖なる場所に立つのを見たら、その時、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。屋上にいる者は、家にあるものを取り出そうとして下に降りてはならない。畑にいる者は、上着を取りに帰ってはならない。それらの日には身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ。逃げるのが冬や安息日にならないように、祈りなさい。その時には、世界の初めから今までなく、今後も決してないほどの大きな苦難が来るからである」(「マタイによる福音書」第24章15~21節)
世界支配者の獣を祭礼一致で擁護し、救世主と認めるのがバチカンの法王となる。この法王は「聖書」で「偽預言者」と記されている。
「わたしはまた、竜の口から、獣の口から、そして偽預言者の口から、カエルのような汚れた3つの霊が出てくるのを見た。これはしるしを行う悪霊どもの霊であって、全世界の王たちの所へ出て行った。それは、全能者である神の大いなる日の戦いに備えて、彼らを集めるためである」(「ヨハネの黙示録」第16章13~14節)
ハルマゲドンを起こす獣と、偽預言者である法王にとって、絶対に必要なツールが第3神殿である。それが救世主と新世界の象徴だからである。そのためにもアメリカとバチカンは、建設当初から関わっていなければならない。
第3神殿が建設されたら、世界中の人間を支配して統治することができる。「ユダヤの家」が連立入りして、ケリー国務長官がバチカンをエルサレムの表舞台に出した5月(イヤルの月)で、神殿建設の布石が完全に打たれたことになる。アメリカの地震兵器により、それほど遠くない日、巨大断層地震をきっかけに、第3神殿が建設される可能性が高い。