(31)宇宙・生命エネルギーは波動・螺旋運動である!
千島教授は、既に失意のうちにこの世を去っている。しかし、生前に次のような結論に達している。
「千島教授が科学を研究して、そして到達した哲学、あるいは真理と言った方が的確ですが、このことでした」「生命現象や自然現象の波動性概念の中に、リズム、周期性、可逆性の意味が含まれています」「生命の形態として持つ縞模様や歪み、生理的作用のリズム、環境のリズムカルな変化に対応した生物活動の周期性、文化や思想の発展の消長、気候の変化、天体活動など決して直線的ではなく、波を描き、繰り返し現象を見せています」(「千島学説入門」忰山紀一著)
1900年生まれの千島博士は、半世紀以上前に、既に、生命と波動の最先端理論に到達していた。
「宇宙もこの世も、歪みがあるため、バランスを取ろうとして、波動と螺旋運動で動いている」(千島博士)
気に関する考察は「気は、宇宙に偏在する物質や生命の根源的要素で、私はこれを超エネルギーと呼びます。超エネルギーが凝集して、エネルギーとなり、素粒子となり、原子・分子となると考えます。この考え方によって、観念論や唯物論の対立も、宗教と科学の対立も解消できると考えます」(千島喜久男遺文 いのち自衛」より)
この宇宙論は、老子の宇宙論を彷彿とさせる。「無の名は天地の始まり」「有の名は万物の母である」(老子)
また千島博士の宇宙論は「般若心経」にも通じる。
「色即是空」→森羅万象(3次元現象界)の本質は何もない空(4次元以降の世界)である。
「空即是色」→何もない空(4次元以降の世界)から(3次元現象界)に宇宙万物は生成する。
博士はわかりやすい訓話も残している。それは波動と身体と人生の調和が理想的生き方だと言っている。具体的には、
「気」→明るく穏やかな心と安眠。
「血」→自然に従い正しい食と生活。
「動」→毎日を怠けず、良く働く。
千島博士の偉業は「千島革新の生命・医学全集10巻)に収録されている。
森下博士も生命論、宇宙論の根幹に「気」の概念を置いている。森下博士はさらなる高みに到達している。それが「経絡造血」現象の発見である。それを可能にしたのが、ソマチッド理論である。この理論により、不食の人の存在理由も解明されたのである。
何故、食べないで生きていられるのか? 宇宙エネルギーで生きているわけであり、宇宙からのエネルギーは経絡に取り込まれると、そこでソマチッドが増殖する。これが血球細胞になる。つまり、宇宙エネルギー→経絡→ソマチッド増殖→血球細胞→体細胞・・・・。こういう経緯を辿るわけである。これは目に見えないエネルギーが身体に変化するという壮大な発想である。
船瀬氏が森下博士の話を聞いていて直感的に思い出したのがヨガの沖正弘導師の教えであった。ちなみに、沖導師と森下博士は無二の親友であると聞いて船瀬氏はうれしくなったという。
4次元の螺旋運動が3次元に物質化する。これを森下博士は次のように説明する。
「4次元のエネルギーは螺旋運動です。それが経絡を通じて3次元の肉体に変わる」 そのダイナミックな理論を証明するのが「チューブリン微小管」の存在である。
「造血機能には3次元的・動物官能性としての腸管造血に対し、4次元的・植物官能性としても経絡造血がある。チューブリン微小管のチューブリンとは球タンパクの事である。その球タンパクが、どんどん螺旋状に渦を巻きながら、組み合わさって1つの管が出来、これか縦に4本くらいくっつきあって、境目がなくなり、より太い脈管が形成される」(講演「生命誕生と奇跡の食」より)
4次元的・植物官能性とは、植物の方が宇宙エネルギーを旺盛に取り入れて生きているからである。「光合成」などはその典型である。それと同じ能力は動物にも潜在的に備わっている。
「経絡造血はモノを食べない状態に置かれた場合に、光合成現象が起こる。人間でもモノを食べなければ、こちらの経絡造血へと全面的に移行する。だから、モノを食べなくても人間は生きられる。4次元のエネルギー(気=プラナ)が4次元の世界から3次元の世界に移行する時に物質化現象が起こる。それがチューブリンの出現である。私は、これがソマチッドへと発展するのではないかと考えております。」(森下博士)