(11)サイクロトロン共鳴で有害メカニズムを解明!
電磁波とは電気と磁気の波動である。ベッカー博士は、その有害メカニズムを明解に解説している。それが、「サイクロトロン共鳴」である。サイクロトロン共鳴によって、正常、異常を問わず、電磁波がどのようなメカニズムで生物学的影響をもたらすのかを、正しく理解することができる。
ベッカー博士は、アメリカ軍が計画しいていた低周波通信ネットワーク構想に一人で対決し、中止に追い込んだ。これは、深海の原子力潜水艦と地上司令部を結ぶ通信網であり、全米を網羅する通信網が、完成していたら、米国民は凄まじい電磁波被曝にさらされたはずである。ベッカー博士は、公聴会で真っ向から軍部を批判した。こうして、博士は、電磁波による生体傷害メカニズムを世界で初めて明らかにした。それだけでも、彼が出版した「クロス・カレント」の意味は大きい。
ベッカー博士の解説は次の通りである。
①荷電粒子あるいはイオンが、空間中の定常磁場に置かれると、それは磁場と直角方向に、円または螺旋運動を始める。その回転運動のスピードは、荷電量と粒子の質量との比率、そして磁場の強さによって決定される。
②磁場に、直角に振動する電場を当ててみる。その振動数を粒子の回転スピードと等しくすると、電場からエネルギーが、粒子に移行する。荷電粒子はより多くのエネルギーを受け取っている。
③家電の方向がすこし直角方向とズレていたら、どうか? 粒子は螺旋状に動く、
そのズレの角度が大きくなると、荷電粒子は、勢い余って、どこかに飛んで行ってしまう。これが電磁波によるDNA破壊、細胞破壊のメカニズムである。
見えない電磁波エネルギーが、荷電粒子に運動エネルギーを与え、その結果、DNAや細胞は破壊される。これが電磁波が生体傷害を起こす基本的なメカニズムである。定常磁場と一緒に振動する電場がありさえすれば、これらが荷電粒子に働きかけるので、サイクロトロン共鳴はいつでも発生させることが可能である。
電磁波の生体傷害の1つに細胞からのミネラル溶出がある。例えば、実験動物の脳細胞に電磁波を照射すると、例外なく、神経細胞からカルシウム・イオンが溶出してくる。どうして細胞膜を透過して細胞の外に滲み出てくるのか? ベッカー博士による「サイクロトロン共鳴」現象の解明でそのメカニズムも判明した。
細胞内のカルシウム・イオンは荷電している為、電磁波照射によりサイクロトロン共鳴反応を起こし、電磁波から運動エネルギーを得て、螺旋運動を起こし、その勢いで細胞膜を突き抜けて、細胞外に滲みでたのである。これは一種の細胞破壊である。つまり、電磁波には、細胞破壊作用があることが立証された。定常磁場と照射する超低周波の組み合わせにより、リチウム、ナトリウム、カリウムの各イオンも細胞から容出する。つまり、この現象は、電磁波に被曝すると、細胞内の各種ミネラル分が、電磁波に共鳴して、細胞から漏れ出すことを示している。これは、ミネラル漏出による細胞破壊であり。そのような細胞は死滅する。
電磁波には強い発癌性、催奇形性がある。それは、分裂中の細胞が電磁波被曝をすると、細胞分裂が阻害されるからである。細胞分裂する時、遺伝子は束になって、対の染色体になる。それは、細胞分裂で、両側に紐状の糸で引き離され、2つの細胞に分離する。ところが、電磁波照射された細胞は、分裂で異変が生じる。染色体の対の間に、異様なブリッジが出来、染色体が分離不能となる。いわゆる、染色体異常で細胞分裂が阻害されたのである。DNA(遺伝子)は、二重螺旋構造で構成されている。その間を梯子の踏板のように4種類の塩基が連なっている。その順列組み合わせで、遺伝情報はDNAに配列されている。細胞分裂のときは、二重螺旋構造が2つに割れて、対の二重螺旋構造が形成されていく。その時、いったん塩基の梯子板は梯子枠から離れて、再度、新たな枠に付着する。これらは相互にイオンで電気的に接合されている。一旦分離した塩基が、再度、二重螺旋構造に付着する時、電磁波照射を受けるとどうなるか? まさにサイクロトロン共鳴により、塩基イオンは揺すられ、正確な枠の1つに付着できない。そしてトンデモナイ箇所に接着されたりする。これが遺伝子破壊である。細胞分裂途中に、染色体に異常が出現したのも、サイクロトロン共鳴による異常振動で、染色体同士がくっつき、ブリッジになってしまったからである。そうなると、細胞は遺伝情報を得ることができない。発癌遺伝子が生じるかもしれないのである。