(9)自然な音は、人も植物も幸せにする!
音による癒やし効果で、よく知られているものに「1/ f のゆらぎ」がある。これは、別名「ピンクノイズ」と呼ばれる特殊な波形である。専門的に言えば、「揺らぎの程度が、周波数(f)に、ほぼ反比例するような分布になっている」揺らぎ現象である。つまり、統計的に単位時間当たりの平均を取ろうとしても、一定にならないズレで、規則性はないが全くのランダムでもない揺れを指す。静かに回っているコマも、よく見ると不規則にゆっくり揺らいでいる。これが、揺らぎ現象である。見ていると心が和んでくる。規則正しい時計の音は、正確でも聴いていると疲れる。それに対し、せせらぎの音や滝の音には、なんとなく心がほっとして癒される。これが「1/ f 」揺らぎ波動である。いいかえると、「遊びの波形」と言える。
自然界は、「1/ f のゆらぎ」リズムに満ちている。それは、生命力が生き生きとしてくるリズムで、「魂と共鳴する魂自身のリズム」と言える。「1/ f 」のゆらぎに反応するのは人間だけではない。「1/ f 」のゆらぎ波形パターンをコンピュータで画面上に光の点で再現した実験がある。それを水槽内のメダカに見せると、揺れる光の点を餌だと思い込んで、食いつく仕草を見せたという。これは、アンコーが獲物をおびき寄せる擬似餌の動きと同じ波形パターンだという。つまり、「1/ f 」のゆらぎは、魚類の動きそのものでもある。
植物にも音楽の好みがある。D・リアラック夫人が行った実験では、植物はクラシックが好きだという。
全く同じA、B2つの温室を準備して、同じ種類の植物を栽培する。
A温室→クラシック専門の番組を流すラジオを入れた。
B温室→ロック音楽専門の番組を流すラジオを入れた。
すると、両者の植物に奇妙な変化が現れた。
A→クラシックを聴いたキンセンカは満開で花を咲かせた。
B→ロックを流した方のキンセンカは2週間後に全滅した。
夫人は、この実験結果に、大いに驚いた。さらに、植物のロック嫌いを確かめるため、強烈なスチールドラムを聴かせる実験を行った。すると、植物はドラムの音を嫌がり、10度ほど反対方向に傾いていった。逆に、バイオリンなどの弦楽器を聴かせると音源に向かって寄ってきた。バッハのオルガン曲だと35度も傾いてきた。つまり、植物はクラシックが大好きでロックが嫌いだという真実が証明されたのである。
この実験で、思い当たる人は多いはずである。お花に「おはよう」「元気」と声をかけて水をやると、花の咲き方が違う。酪農家は、クラシックを聴かされると牛乳の出がよくなるという。醸造家によれば、発酵蔵で、いい音楽を聴かせると菌の働きが全然違うという。植物も、牛乳も、菌類も生物はすべて波動エネルギーで生きている。そこに、心地よい音響波動が与えられれば、生理活性化するのは当然と言える。
しかし、マスコミがつくり出した常識に洗脳されている人々は、ただ嘲笑うだけである。自分たちが、真実から遮断されたタコツボで生きていることに気づいていないのである。
CDで音楽を聞くと、なんとなく疲れるのは、CDが2万2000ヘルツ以上の音をカットしているからである。カットした理由は、人間の可聴域は20~2万2000ヘルツなので、不要な周波数域はカットしたという。しかし、高周波域の音も聴覚で感知しなくても、身体は体感として聴いている。それを証明する実験がある。
「2万2000ヘルツ以上の音をカットした音楽を聴かせると、被験者のアルファ波が減少し、カットしていないレコード盤を聴かせるとアルファ波は増加した」
この実験から、耳の聴こえないとされた高周波の音に、意識をリラックスさせる効果があることが証明された。不自然な音を聴いていると疲れるのは当然である。
最近アナグロのLPレコードが大変なブームであるという。レコードには2万2000ヘルツ以上の自然な音も収録されている。その自然な響きにオーディオマニアがアナログに回帰している。具体的には、バイオリンやフルートなどから発する音色である。専門家によると、バイオリンとフルートの音色は、最も脳の視床下部を刺激するという。つまり、「高周波の音色で視床下部が刺激され、快感ホルモンなどが分泌され、深い感動に満たされる」と言うメカニズムである。
では低周波はどうでしょうか? それは1~1000ヘルツ程度の音である。特に20ヘルツ以下では人間の耳で聴き取れない。これら強い超低周波は、人体には非常に危険である。「吐き気」「めまい」「頭痛」「イライラ」「自律神経失調症」などを引き起こす。
人間関係では、波長が合う人、合わない人がいる。これら感情、思考が互いに相乗作用する。
①波長が合う→同じ形の波と波が出会うと、重なって大きな波になる。気分が高揚し、たがいに乗ってくる。具体的には、会話が弾み、笑顔で相槌を打つような状況である。
②波長が合わない→波動が打ち消し合い、波形が乱れる。会話では、否定的な答えが返ってくる。気まずくなり会話が途切れる。
③波長が反発する→怒りの感情を相手にぶっつけたら、反発して跳ね返ってくる。これではコミュニケーション不能であり、人間関係も崩壊する。
④波長が呑み込まれる→気が小さい人が気の大きな人に呑み込まれる現象である。呑み込まれないためには、自分の存在をはっきりさせた波動を発信することである。
人間の波動エネルギーも、相手次第で、「同調」「増幅」「打消」「反発」「消滅」などの相互作用を受ける。誰とでも心の波長を合わせる生き方が理想である。その秘訣は、思考、感情、愛憎、嗜好を否定するのではなく、共感してみることである。
同じ波動同志は同調し増幅する。つまり、同種の波長やバイブレーションが重なると、「同調効果」によって、その振幅数は高まる。これは人間同士の「引き寄せ効果」を生み出す。「類は類を呼ぶ」と言う現象である。逆に不安を抱き続けると、その人の周りには、不安を感じやすい人が集まり、不安を感じさせるような出来事が多く集まる。つまり、同調波動の引き寄せは、いい面も悪い面もある。
祈りの波動エネルギーは時空を超えて相手に届くと言う。これも一種の引き寄せである。それは遠隔気功と同じ原理と思われる。