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カゴメ唄の謎(9)

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(9)三笠宮殿下とユダヤ

 2016年10月27日に三笠宮崇仁親王が薨去された。享年102歳。昭和天皇の弟で、今上天皇の叔父にあたる。日本の皇族としては珍しく歴史学者であった。専門は古代オリエント史である。特にトルコのアナトリア地方の考古学を深く研究され、東京女子大学や拓殖大学で講義もされていた。

 古代オリエント史とはシュメール文明に端を発するメソポタミア文明及びエジプト文明の歴史である。古代バビロニア帝国やアッシリア帝国、アケメネス朝ペルシャと言った国々の中に、古代イスラエル王国も含まれる。「旧約聖書」によれば、古代エジプト王国で奴隷となっていた同胞を大預言者モーセが解放する。パレスチナ地方に移住して部族国家を形成し、サウルからダビデ、そしてソロモン王の時代に絶頂期を迎えたとされる。

 古代オリエント史を研究するうえで、「旧約聖書」や「新約聖書」は必読であり、原文であるヘブライ語やギリシャ語で読む必要がある。三笠宮殿下もまた、こうした専門外国語を習得されていたことは言うまでもない。三笠宮殿下が古代オリエント史を研究されていたのは、古代天皇とユダヤ人の間に深い関係があったことを知っていたからであろう。実は、これを裏づける資料をユダヤ教のラビ、マーヴィン・トケイヤーが「ユダヤと日本 謎の古代史」の中で紹介している。この中に、ラビ・メナヘム・モーリバなる人物が満州のハルピンに住むラビ・キシレフから聞いた話として、こんなエピソードを紹介している。

 旧日本軍が満州を支配下に収めた直後、ハルピンのユダヤ教の教会堂シナゴークに3人の日本人がやってきた。その内の一人は皇室の人間だった。彼はラビに身分を明かすと、秘密だと念を押して、こう続けた。「かねてから皇室には祖先がユダヤ人ではないかと言う噂がある。興味を抱いたのでユダヤ人の歴史と宗教を学ぶことを決意し、ついに個人的にはユダヤ人として生活しながら、公的には日本の皇族として振る舞うことにしたのだ」という。

 状況から考えて、この皇族とは三笠宮ではないかと言う説がある。三笠宮には軍歴があり、古代オリエント史にも詳しい。「旧約聖書」を通してユダヤ教を学んでいた可能性は十分ある。

 一般に、古代の日本にユダヤ人がやってきて、日本人の祖先の一部になったのではないかと言う説を「日ユ同祖論」と呼ぶ。最も、日ユ同祖論はあくまでも異説であり、アカデミズムの現場で語られることはない。

 しかし、今では遺伝子の研究が進んでいる。特に注目されているのが、男性の染色体Yの研究である。Y染色体の変異を調べ、同じ特徴を持つ集団をハプログループと呼んで整理し、民族の系統樹を作る試みが行われている。このハプログループはアルファベットでA、B、C・・・とナンバリングされている。日本人の場合、最も多いのがDグループである。ハプログループDは朝鮮半島や中国大陸にはほとんど見られない。世界中に散らばったユダヤ人はハプログループEが多い。興味深いことに、ハプログループDとハプログループEは、特徴がある。両者には「YAP」と呼ばれる塩基配列の変異があるのである。これは遺伝子的に極めて近いことを示している。

 言葉を換えると、ある男性に突然変異によってYAPを持ち、その子孫からハプログループDとハプログループEが分かれた。それが日本人とユダヤ人の中に濃厚に存在しているのだ。ハプログループはあくまでも男性のみが受け継ぐ遺伝子である。子供を産む女性の割合を加味すると、日本人とユダヤ人は民族的に親類、もしくは兄弟だと言える。その意味で、まさに、日ユ同祖論は正しかったのである。

 古代日本にユダヤ人が渡来して、日本人の祖先の一部になったことが、科学的に証明されたのである。

 ハプログループDを持つ日本列島の中でも北海道や東北、もしくは九州や沖縄に多い。北海道や東北は縄文系の人々が濃厚で、その代表格はアイヌである。同様に、九州には熊襲や隼人、沖縄には琉球民族がいる。彼らは弥生系である。いずれも日本列島の先住民及び、その末裔である。したがって、縄文時代と弥生時代を通じて、大陸から古代イスラエル人が断続的にやってきたことが判る。

 北海道のアイヌと沖縄の琉球民族が遺伝子的に近いことは、かねてから指摘されてきた。彼らは環太平洋地域に広がった人々で、昔の表現をすれば古モンゴロイドである。ちなみに、現在は新モンゴロイドや旧モンゴロイドと言う分類は否定され、学術的に使用することはほとんどない。

 縄文人の遺伝子を濃厚に受け継ぐアイヌの遺伝子と、遠く離れた南アメリカ大陸の古代インカ人の遺伝子は極めて近い。熊襲や隼人、それに琉球民族もまた、ネイティブ・アメリカンと遺伝子がほとんど同じである。つまり、縄文時代、日本列島に住んでいた倭人は環太平洋に広がったモンゴロイドであり、その中に古代イスラエル人が含まれていたというわけである。


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