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カゴメ唄の謎(5)

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(5)謎を解く鍵は「天岩戸開き神話」にあった!

 日本には神道という宗教がある。神羅万象、あらゆる事象に魂が宿り、八百万の神々が息づいていると信じられるのが神道である。西洋的な学問からすれば、神道は多神教である。だからと言って、すべての神々が平等というわけではない。そこには明らかな序列が存在する。神道における最高神は「天照大神」である。天照大神は太陽神であり、女神である。一説には、邪馬台国の女王「卑弥呼」がモデルだともいわれている。中国の史書「三国志」に収められた「魏志倭人伝」によれば、3世紀、倭国は邪馬台国のもとに連合国を形成していた。

 邪馬台国の所在地については、畿内説と九州説がある。総じて、京都大学は畿内説、東京大学は九州説を支持している。では、実際のところ、邪馬台国はどこにあったのか? 結論を言えば、機内である。纏向一帯が邪馬台国の中心地だった。その根拠は、これまでの私のブログを参照していただきたい。

 2013年10月2日深夜、伊勢神宮の内宮において、「遷御の儀」が執り行われ、8年に及ぶ「式年遷宮」が無事終了した。伊勢神宮は内宮だけではなく、外宮や別宮、摂社、末社、そして所管宮を含めて125社からなる。これらの社殿も、すべて式年遷宮が執行され、順次、新しい本殿へと御魂が移される。

 なぜ、天照大神は八百万の神々の中で、最も権威ある存在として位置付けられているのだろうか?

天照大神が最高神である理由は、「甦り」にある。八百万の神々の中で天照大神は唯一、死と再生を経験している。天照大神を天照大神たらしめている「天岩戸開き神話」を知る必要がある。

 記紀神話によると、イザナギ命とイザナミ命の間には3人の神々「三貴子」がいた。天照大神と月読命、そしてスサノオ命である。天照大神は太陽神であり、月読命は月神、そしてスサノオ命は星神、特に明けの明星神である。3人の兄弟は、意外に仲が悪く、天照大神は天神が住まう高天原を支配し、月読命は夜の世界、そしてスサノオ命は地上に住んでいた。ところが、ある時、弟のスサノオ命が姉を慕って天上の高天原へ昇ってきた。荒ぶる神であるスサノオ命がやってきたことで、天照大神は警戒する。天照大神は完全武装でスサノオ命に対峙する。驚いたスサノオ命は自らに邪神がないことを誓約で示し、誤解は解けた。しかし、これで有頂天になったスサノオ命は天照大神の威光を背景に、やりたい放題の乱暴狼藉を働く。神殿に捧げる稲を栽培している田圃を壊し、周りに糞をまき散らすと、しまいには神衣を織る神聖な機織り小屋の天井から皮を剥いだ天の斑馬(ふちこま)を投げ入れ、大暴れする。それまで弟を擁護してきた天照大神であったが、スサノオ命の顔を見たくないと、天岩戸に引き籠ってしまう。

 光の太陽神が隠れたことで、高天原は闇に包まれた。地上もまた闇が襲い、魑魅魍魎が跋扈し、邪悪な神々や悪霊などの魔物が全世界にあふれかえり、人々は絶望の淵へと追いやられてしまう。

 高天原の神々は、天安河原に集まって相談し、対策を協議した。天照大神を天岩屋から出すべく、どんちゃん騒ぎをすることにした。八咫鏡を鋳造し、八尺瓊勾玉を製造すると、それらを幣とともに賢木にかけて祭壇を設置。鹿の骨で占いをし、太陽を呼ぶとされる常世の長鳴鳥を集めて一斉に鳴かせる。隠して、神々は大宴会を開き、天鈿女命が裸踊りをすると、大木に盛り上がって最高潮に達した。

 喧騒は天岩屋の中でも聞こえていた。やけに外が騒がしいことに気付いた天照大神は、何事かと思案。世界は闇に包まれて、神々や人間は落胆しているはずなのに、いったい何が起こったというのか? 気になった天照大神は少しだけ天岩戸を開いて外の様子をうかがった。これに気付いた神々は、すかさず行動に出る。天児屋命と天太玉命が賢木にかけてあった八咫鏡を差し出し、天鈿女命がこう言った。「あなた様より偉い神がいるので、みな喜んでおります」と。八咫鏡に映ったた自分の姿を別の神だと勘違いした天照大神は一瞬うろたえる。それを見た天手力雄命が天岩戸を開き、手を取って天照大神を引きずり出すと、天太玉命が入り口に注連縄を張った。天岩戸が開いて、天照大神が出てきたことにより、高天原はもちろん、地上にも再び光が戻った。

 神々や人々の寒気が全世界に響き渡り、地上を覆っていた闇と魔物たちは祓われ、そもそもの原因を作った張本人であるスサノオ命は神罰を受け、高天原を追放された。


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