(43)日本の弱点、同調圧力
(下つ巻・第31帖 私することならんぞ、官僚主義への警告)
絶対神への畏敬の念と捧げものは、断じて私物化してはならない。権威も権能も人が悪用してはならない。捧げものを持って富士で暗示される三位三体の教会堂を建てたり、困っているメンバーや人々を助けたりして、正しい目的で使わねばならない。そうすれば神も喜び、世界も喜んで光に包まれる。そうすれば富士の象徴である三柱の神も喜ぶことになる。神の道はこのような仕組みを持って広めてほしい。政治家も経営者も例外ではなく、神の仕組みを参考にすべきである。逆は許されない。
(解釈資料)
神の組織では、イエス・キリストのように、人への愛と救援を優先順位の第1にせねばならない。しかし、日本の官僚主義に汚染されると、そこに律法中心の官僚主義集団「サンヒドリン」が頭をもたげてくる。サンヒドリンとは、イエス・キリストと対抗した宗教官僚の管理組織で、律法を憲法のように掲げ、彼らの許認可権を無視したイエス・キリストを磔刑の場へと送った。彼らは今でいう「マニュアル」「手引き」を訳も分からずに信じ、マニュアル以外を行うことを是としないネットワークを作り上げる。その官僚主義が日本に入って来た神の組織を汚染した場合、悲惨なことになる。神の組織が日本では全く発展しなくなるからである。岡本天明が懸念する、神の組織を汚染する日本の官僚主義への警告が「日月神示」の各所にちりばめられているのは、よほど重大な問題なのである。
官僚主義者は決められたこと以外を行わないことを常とする。そのために掲げるのがマニュアルや手引きと言う「憲法」で、マニュアル以外の事は基本的に行わない。しかし、マニュアルは憲法ではなく、所詮マニュアルに過ぎないが、マニュアルを許認可権に応用することで、官僚主義に支配力を持たせる。そのために使われるのが「同調圧力」である。官僚はその力で地方の末端組織にまで拡大させた。同調圧力とは、特定の組織やグループの意思決定の際、少数意見者に対して、暗黙の圧力をかけながら多数意見に合わせることを強制する力を言う。多数決ではなく、全会一致を求める組織に発生しやすく、官僚主義の人間が上に立った場合は大問題になる。
官僚主義が同調圧力と一体化すると手におえない。少数意見を持つ者に対して、強制的に態度を変えることを要望してくるからである。時には物理的に危害を加える旨を通告する強制もあるが、日本の場合は、多数意見に逆らうことに「恥」の意識を持たせるよう誘導してくる。陰湿な場合、少数意見者に「ネガティブ・キャンペーン」を行い、「怪文書」を配布したりして組織内で風評被害を拡大させようとする。最悪はスキャンダルを捏造することで、リークも平気で行うようになるとその組織は末期症状である。
集団の「威圧感」で圧力をかけ、殿様や城主に逆らえないように仕向けてくるのである。同調圧力をかける行為は、多くの個性の否定であり、絶対神への反逆になる。同調圧力の手口の多くは「苛め」に発展する。苛めは犯罪で、学校でも警察が介入し、人権侵害として訴訟される。しかし、同調圧力になれた官僚主義者は、法律違反に気付かないほど慢心している。日本人のように大人しい民族は官僚主義に支配されやすく、神の組織といえ人間が組織を預かる以上は例外ではない。日本の官僚主義者は虎の威を借りる狐のように権威を利用する。さらに同調圧力の厄介なところは、それをかける側が、自分たちが正しい行為をしていると思い込んでいることである。官僚主義が極まると、偏狭な思考に陥りやすく、大きな間違いを仕出かしても組織内で隠蔽する。
官僚主義者の目の上の瘤は、個人主義者である。欧米では組織や人間の不正を通報する内部告発がシステム化しているが、自主規制や自粛が当然の国民性の日本では、官僚主義=同調圧力が絶対主義を作り出している。「空気が読めない」「KY」も、個人主義に対抗する集団による同調圧力の一種で、日本では皆と同じでないと、おかしいと思わせる手段に用いられる。学校では「仲間外れ」「苛め」につながり問題化するが、大人の社会でも同じ構図がみられる。「日月神示」は戦中からそのことを預言(警告)していた。
サンヒドリンも同様で、イエス・キリストからタルムードやユダヤ教を守ろうと必死だった。ただし、信仰の根本と、その手段を完全に間違えていた。磔刑の断末魔の中、イエス・キリストはこう言って彼らを擁護したのである。
「その時、イエスは言われた。父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです」(「ルカによる福音書」第23章34節)
日本の神の組織でも官僚主義が支配力を持つならば、彼らはやがて霧散するだろう。そのことが「岩戸開き」であり、大きな引き金(トリガー)となって、日本人を神が求める方向へ大変革する。