(18)ヒラリーが大統領になったらどうなるか?
アメリカの職業軍人のトップはトランプを強く支持している。職業軍人たちは、ヒラリー=ネオコン派が大嫌いである。高学歴のインテリ研究員たちであるネオコン派はすぐ戦争をしたがる。ネオコンは、国防総省に横から入ってきて、高官として自分たち職業軍人よりも上の地位についた。そして自分たちに命令して、世界中の戦場に行かせた。アメリカの軍人たちは外国での戦争にうんざりしている。結局、戦場でいやな思いをするのは、自分たち軍人である。だからネオコンの事が大嫌いなのである。
トランプは国内問題優先主義であり、海外派兵反対論者である。ネオコン派はその反対で外国干渉主義者である。アイソレーショニズムは、「それぞれの国は、自分たちの判断で自分の事をやるのがいい。もうアメリカは助けない。独裁国家だろうが、そこの国民が飢えていようが、アメリカは関わりたくない。関与しない」と言う考え方である。日本のメディアは、これを称して「アメリカは内向きになっている」と書く。そして、この「内向き」とは何のことか、全く説明しようとしない。日本のメディアはアメリカのグローバリスト=ネオコン=インターヴェンショニストの手先、子分たちである。アメリカ国内のヒラリー=ネオコン勢力の言いなりになってきた。日本人の国際政治への無知状態が今も続いている。
トランプの外交政策チームのトップは、ジェフ・セッションズ上院議員である。筋金入りの保守派で元軍人である。代行・軍事の助力者は、マイケル・フリン中将と、マーチン・デンプシー元統合参謀本部長のようである。彼らはネオコン派と大喧嘩してきた。だから、マイケル・フリンは「ISを叩け。ロシアと組め」派である。トランプも「ロシアはISを排除したいと考えており、我々もそうだ。ならばロシアの好きにさせればいい。ISを排除させるのだ。気にすることはない」と言った。
アメリカは国力がどんどん衰退している。今にも財政が破綻しそうで、金融市場がやがて取引停止を起こすだろう。この真実は日本にはなかなか伝わらない。今、アメリカの中央銀行であるFRBのジャネット・イエレン議長が「アメリカの失業率は5%にまで下がった」と大見えを切っている。それに対してトランプが「バカを言うな。イエレン議長よ。アメリカの真実の失業率は20%~42%だ」と言い放った。だから真実のアメリカの失業率はその間をとって、30%ぐらいである。イエレンは、数値そのものが役人特有のインチキであることにわざと気づかないふりをしている。
トランプが「私が大統領になったら、アメリカをいったん破綻させる」と言い出しそうである。そしてトランプは、ケンタッキー州の陸軍基地であるフォートノックスの大きな洞穴にある地下倉庫で保管しているはずの、FRBの金を「自分で見に行く」とはっきり言った。そして「なんだ、アメリカ政府が持っているはずの8300トンの金は全然ないじゃないか」と喚くつもりである。それが有能な経営者である。どうしても駄目な企業は1回倒産させて、悪い血を全部外に流さなければいけない。それは沢山の従業員の首を切ることになる。これはきついことだ。だが誰かが血だらけになってやらねばならない。そして再建をやる。それができるのが本物の経営者なのである。
ヒラリーが大統領になったら、2017年から国家破産させる代わりに世界を第3次世界大戦に引きずり込むだろう。戦争をしないと、アメリカは今の世界覇権を維持できないからである。これから人類に襲いかかってくる金融崩壊が怖い。それを避けるために、アメリカの権力者たちは巨大な戦争と言う名の公共事業をやるしかないのである。戦争と言う名の公共事業は公共施設を爆撃で破壊して回る。これを戦争刺激経済と言う。
アメリカは債務上限を抱えている。アメリカのワシントンの連邦政府が抱えている表に出ている分の米国債発行残高だけでも、20兆億ドル(2200兆円)ある。国の借金は年間8000億ドル増え続けている。アメリカ連邦政府だけでの借金が毎年1兆ドルずつ増えている。この連邦政府の累積の大借金以外に、50の州と、それから40の大きな都市の累積赤字がある。50州の地方政府の赤字分及び社会保障費の赤字の分を合計すると、概算でアメリカは60兆ドル(6600兆円)ぐらいの借金を抱え込んでいる。これらをアメリカの中央銀行であるFRBが国債を引き受けることで肩代わりしている。これ以外に、アメリカの民間銀行が隠しこんでいる借金の残高が60兆ドルある。合わせて120兆ドル(1京2000兆円)である。
アメリカはこれらの隠れ借金を抱えているから、ヒラリーは大統領になったら、戦争をするしかないという考えで動いている。戦争をすることでアメリカの帳簿を燃やし尽くすという計画である。戦争することで、国と民間の両方の借金を吹き飛ばしてしまう計画である。
ところがトランプは「ちょっと待った。そんなバカなことはするな」と言う形で出てきた。トランプは「私に任せなさい。私は経営者で借金王だ。私は借金返済の苦しみに耐えてきた男だ。私が国家借金の再交渉して、苦しいが国家財政を立て直そう」と言っているのである。アメリカ国民は、このトランプにやらせてみようと言う気になっているのである。