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次期アメリカ大統領はトランプで決まりだ(14)

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(14)アメリカグローバリズムの始まり

 ウッドロー・ウィルソンと言う民主党の大統領の前のセオドア・ルーズベルトの時からアメリカの対外的なグローバリズムは始まっていた。1914年7月に、ヨーロッパで第1次世界大戦がはじまった。ウィルソン大統領は「2001・9・11事件」と全く同じ「ルシタニア号撃沈事件」(1915年5月7日)を捏造した。これでアメリカを第1次世界大戦に参戦させて、米軍をヨーロッパに派兵した。この後、「ウィルソンの14か条演説」で「民族自決主義」と「国際連盟」の創設を提案して世界単一政府主義のグローバリズムの原型を推進した。

 このウッドロー・ウィルソンの民族自決主義によって、この時期の「世界に5つあった帝国」のうち4つが崩壊していった。つまり、①オーストリア=ハンガリー帝国 ②ロシア帝国(ロマノフ王朝) ③大清帝国(清朝) ④大英帝国が崩壊し、⑤アメリカ帝国=ロックフェラー石油帝国)が生き残った。

 4つの帝国が滅んで、次々と民族独立を遂げて国民国家が出来た。だが、これらは新たにアメリカ帝国の属国にされていった。日本もそのうちの一つである。だから、この1914年を境に、それまで世界を支配していた大英帝国の金庫番だった英ロスチャイルド財閥が衰退して、米ロックフェラー財閥が世界最高権力を握ったのである。そして、今、トランプの出現と共にこれが終わりつつある。トランプの登場はアメリカ帝国の墓堀人である。

 ポピュリズムとは、下から噴きあげる保守的な白人大衆の、首都ワシントンの権力者たちへの怒りの事である。このポピュリズムの嵐が荒れ狂うとき、アメリカの権力者たちは憂鬱になり不安な気持ちに襲われる。権力者たちから見ると、ポピュリズムは、議会制民主政治の破壊であり大敵なのである。ポピュリズムは決して社会主義者や労働組合運動から出るものではない。痴呆の保守的な生活感情の中から涌き起こる。

 ポピュリズムは「さあ、ワシントンの政治を今こそ大掃除しよう」と、政治家ベンジャミン・ティルマンが農民たちの呼び掛けて「その手に持っているピッチフォーク(干し草熊手)でワシントンに押しかけよう」と訴えた事が象徴的である。

 ヒューイ・ロングがアメリカ大衆のいら立ちを体現した人物だった。彼は体制側から「扇動者」と悪罵された。国民を危ない方に引きずっていく危険な扇動者と今でも考えられている。ヒューイ・ロングが暗殺された後、弟が継いで、さらにヒューイ・ロング2世が州知事になった。今もルイジアナ州議会の前に彼の巨大な銅像が立っている。ダグラス・マッカーサー元帥も時にはヒューイ・ロングと同じ国民扇動家とされる。

 他の代表的なポピュリストに、カトリック神父のチャールズ・カフリンがいる。彼もラジオで激しい財閥攻撃を行った。カフリンのラジオの説教番組は、保守的な白人層に大変人気となった。彼は当初、フランクリン・ルーズベルトを支持していたが、ルーズベルトを背後で操っているのがロックフェラーだと気付き、日米開戦後もルーズベルトを批判し続けた。「アジアの事はアジア人にやらせろ」と日本を擁護した。カフリンがラジオ説教を始めたきっかけは、自分の境界がKKK(クークラックスクラン、クランズメン)によって焼き討ちされ、再建費用を稼ぐためだった。

 黒人差別を公然と主張するKKKの運動は、反カトリック主義である。KKKは白いとんがり帽子で目だけくりぬいて、白い服を着て、十字架を火で燃やしながら、更新する白人優越主義の人種差別主義者である。アメリカの南部の農場で奴隷として働いていて、やがて解放された黒人が「白人の女を強姦した」と疑いをかけられたら、リンチ(私刑)にされた。その黒人を見つけ出して木に吊るした。これを「ネクタイ・パーティ」ともいう。ネクタイで首を絞めたように、木にぶら下げるという意味である。

 このKKKは、南北戦争の南軍の将軍の一人だったアルバート・バイクが1865年に創設した。バイクはイルミナティ=フリーメーソンの第4代の世界総長であった。KKKには1920年半ばには、500万人の会員がいた。何度も連邦政府からは団体解散命令が出て、指導者たちが逮捕さtれて壊滅した。しかしその後、秘密結社として復活した。アメリカの泥臭い右翼の田舎政治家たちは、KKKの雰囲気がある。トランプもこの流れの人である。トランプの父親のフレッド・トランプもニューヨークでKKKに参加していたらしい。それを反トランプのメディアが書き立てて批判した。トランプは「俺は何のことかしらん。KKKの幹部にあったことも無い」ととぼけた。そことボケぶりが、例のトランプ独特の両手を横に広げて「私の本心はわかるでしょう。皆さん」と言うものだった。KKKの思想は反共産主義、反カトリック、反ユダヤの3本柱である。

 1962年にKKKの支援を受けて、ポピュリスト政治家ジョージ・ウォレス知事がいる。ウォレス知事は「白人の優先的権利」を主張して、黒人運動と敵対する者達の代表となり、マーチン・ルーサー・キング牧師及び全米黒人地位向上協会の運動と対立した。キング牧師は1968年4月に暗殺された。ウォレス知事は民主党である。この時期にリベラルな性格を嫌って民主党を脱党し、1968年の大統領選挙に出馬した。この時彼が作った政党が「人種差別主義(アパレルヘイト)の党」である「アメリカ独立党」である。

 ウォレスは1972年にも大統領選挙に出馬したが、遊説先のメリーランド州で銃撃され下半身麻痺の車椅子生活になった。ウォレスは後に黒人指導者に謝罪して黒人からも師事され3選された。トランプもこの感じである。実感の本音で白人の優越感が追い詰められている現状を訴えている。しかし、トランプは、何事も交渉と妥協だと分かっている人だから、黒人やヒスパニックとの大きな和解を自分の政策の中心に置くだろう。


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