(21)両陣営にまたがるハザールマフィアとグノーシス派イルミナティ
「テロ戦争派」と「温暖化派」の両陣営の実務部隊となってきたのが「グノーシス派イルミナティ」である。グノーシス派は実力主義を掲げ、各分野の天才をスカウトし、両陣営の実務部門を担ってきた。両陣営の中核は、いずれも血脈主義の為か、次第にグノーシス派イルミナティは両陣営の方針に反発するようになる。
旧支配者たちには穏健派も存在する。その代表はアジアの王族たちである。アジアの王族たちは、金など貴金属を大量に保有している。彼らは先の2大陣営のこうした狂気の計画に興味はなく、世界経済の発展を望んでいる。
イタリア・フリーメーソンと深い関係にあったべネディクト全法王を「黒いバチカン」とすれば、現フランシスコ法王は「白いバチカン」を取り戻し、穏健的な路線を強めている。同様にエリザベス女王、日本の皇室も王族の中では穏健派となる。
実際、2012年を境にして突如、ヨーロッパの王族が退位していく。オランダ女王のベアトリクスが譲位し国王ウィレム=アレクサンダーへ(2013年4月30日)、カタールの王ハマドがタミームへ(2013年6月25日)、ベルギーのアルベール2世がフィリップへ(2013年7月21日)、スペイン国王のファン・カルロス1世はフェリペ6世へ(2014年6月19日)という案配である。こうして世界の王族たちが消えていく中、エリザベス女王が玉座に残り、平成天皇のように無事、退位できるのは、国民に愛された穏健派ゆえであろう。
これら旧支配者たちの内、アメリカ、ヨーロッパの両陣営は、ダークサイドに堕ち、人類を敵に回すことになる。殺されるか、家畜にされるか、どちらかを選べと言われても納得するはずがない。その結果、2000年代にかけて旧体制を打破して新時代を築こうとする「人類同盟」、あるいは「人類解放戦線」ともいうべき戦いが始まる。これが「革命軍」となっていく。
ベンジャミン氏は「ドルは借金札」と言い続けてきた。その証拠にドル札には「NOTE」(証書)と記されている。この証書とは「アメリカ国債引換券」という意味である。実際、アメリカ政府は国債を発行してFRBに渡し、その受領書として「ドル」をもらっている。「100ドル札」が保証しているのは、100ドルの価値ではなく、額面100ドル分の国債との交換なのである。
本来、通貨は国家が発行する。財務省や国有銀行が100兆円発行すれば、国家は100兆円の富を得ることができる。ところが、借金札のドルの場合、まず100兆円の借金をして100兆円分のドルを得るために差し引きゼロ、いや、金利分のマイナスが出てしまう。それだけでなく、国債の金利支払いで、又借金を重ねていく。いわば、多重債務者になってしまうのだ。その差額は、当然FRBへと流れ込む。
FRBは純粋な民間企業である。ドルという商品を売って利益を追求することが認められている。FRBは「米連銀」というように、アメリカの主要銀行の寄り合い所帯だ。そのFRB構成銀行の株主こそ、「700人」の特権階級、ディープ・ステイトたちなのである。
このFRBを軸にディープ・ステイトたちは、無期限無限スワップ(通貨交換)で日本銀行、ユーロを発行する欧州中央銀行と言った先進国の主要中央銀行を「支店」にしてきた。日本銀行は政府が日銀株55%を持ちながら国有化せず、民間銀行なのはそのためである。これはECB(欧州中央銀行)も同様である。事実、売りに出された日銀株の大半は外資保有となっている。戦前までは皇室や旧華族、主要財閥が保有していたのが、敗戦後に外資へと切り替わった。要するに乗っ取られたのである。
通貨発行権こそ、ディープ・ステイトの権力基盤、ビジネスの中核であることが理解できる。ゆえに、「政府紙幣」を作ろうとしたアメリカ大統領は常に命の危険にさらされてきた。アンドリュー・ジャクソン(第7代アメリカ大統領、任期1829~1837)は、国有の中央銀行を設立しようとして暗殺されかけて断念した。銃で脅されたのである。エイブラハム・リンカーン(第16代米国大統領、任期1861~1865)は、政府通貨発行に動いた直後に暗殺されている。ジョン・F・ケネディ(第35代米大統領、任期1961~1963)は、ケネディ「ドル」を発行した半年後にダラスで暗殺された。
そして、このタブーに挑もうとしたのが現大統領のドナルド・トランプだった。2017年、就任直後のトランプ大統領は、財務省発行か、FRBの国有化の両面仕立てで政府発行紙幣を強く望んでいた。その証拠にトランプ大統領執務室にはアンドリュー・ジャクソンの肖像画を掲げていたほどである。
トランプが大統領選に出馬したのは、事実上、破綻しているアメリカの再建の為だった。トランプ大統領は経営者としては有能である。再建するには元手、金が要る。国家の場合、国債と通貨発行となる。アメリカは、それが民間企業のFRBに牛耳られている状態だった。だからこそトランプは通貨発行権を取り戻そうとしてきた。しかし、ディープ・ステイトによる政府機関の強固なサボタージュによって政府発行紙幣の準備は進まず、逆に「追加融資」の為の金策に走る回るしかなくなる。
トランプ大統領の外遊は、ほぼアメリカ製兵器のセールスだった。今やトランプ大統領の異名は「世界一の武器商人」である。バカ売れするロッキード・マーティンのF35はお気に入りで、口を開けば「F35を買ってくれ」と押し売り、その契約書をもってFRBに駆け込んで「つなぎ融資」をしてもらう。その姿は勝手口にやって来て注文を取る「御用聞き」と何ら変わらない。気が付けば政府発行紙幣どころか、デイープ・ステイトの使い走りになってしまったのである。