(19)「世界の富の99%を支配する1%」を支配する700人
表に登場する「世界の大富豪」は氷山の一角に過ぎない。この1%もまた、搾取される立場にある。要するに世界の富の99%を支配する1%を、更に少数で支配している構図なのである。
その支配者たちこそ、ディープ・ステイトの中核なのだ。その数はわずか「700人」である。70億人の世界人口の内「0・0000001%」である。それが世界の富の99・9999・・・%を実質的に支配している。
実際、世界の主だった大企業、金融機関、投資ファンドの株主には、必ず特定の「700人」が重複で関わっている。今や、日本の上場企業には、必ず英語名の投資ファンドが大株主になっている。この「700人」は、この投資ファンドや資産管理団体の大株主に必ず名を連ねている。そうして間接的に名だたる大企業の富を合法的に搾取する。その意味で天下のトヨタも「700人」に多くの上納金を納める支配下企業と言える。
この「700人」が、世界を支配し、この世界を歪めてきた。ただし「700」という数字は個人だけではなく、一族や集団を意味する。世界の富を管理する1%の上位組織となり、「ディープ・ステイト」を形成してきた。まさに闇の支配者であり、20世紀から現在まで世界をコントロールしてきた旧体制の支配者なのである。
1930~1980年までは例外的に格差の小さい時代だった。そして1990年以降、突如として格差が広がり、2000年代になって誰の目にも明らかなほど顕著になった。つまり、平成になってから搾取の時代に入ったことが理解できる。
確かに富を独占的に支配する「700」の勢力が存在する。世界を一つの国に見なせば、王侯貴族のような特権的な力を持つ勢力と考えればいい。ただし、単純な権力構造ではない。それぞれの勢力が相争い、時には協力するような関係にある。
代表的な勢力でいえば、ヨーロッパの王族がある。彼らはアトランティス時代からのカエサル(皇帝)の末裔を自称し、ブルーブラッド(高貴なる血)の一族として権力を握ってきた。また、実質的に世界を支配して来たロスチャイルドやロックフェラーと言った一族、一神教による宗教支配の主導者であるバチカン、東西貿易によって莫大な金を保有しているアジアの王族、欧米の植民地支配で巨大化してきた各種メジャー企業のオーナー一族、更にはマイクロソフトやフェイスブックと言ったITで躍進した新興財閥などが存在している。
これらの勢力は通貨発行ビジネスを牛耳っている。つまり、国際基軸通貨ドルの支配者たちであり、ドルを発行するFRB(連邦準備理事会)のオーナー(株主)たちと言ってもいい。FRBを通じて日本を含めて世界主要国の中央銀行を支配してきた勢力である。通貨を作り、各国政府に金利を付けて貸し付けるという濡れ手に粟の商売をしてきたからこそ、これほどの富の偏在が起こったのである。
そもそも通貨は、その国の税収と国富によって価値が担保されている。極端な話、「税収の前借りの証書」なのである。税収の当てがあるから紙切れに価値が生まれる以上、その国の財務省なり、国有銀行で発行されるべきとなる。これが不換紙幣の構図だが、それ以外に金や銀との兌換紙幣がある。これは金銀を準備すれば民間銀行でも発行できる。ドルを発行するFRBの連邦準備理事会の準備とは、兌換用の金を意味する。ドル用の金を準備した理事会のことなのである。ゆえに、建前上は国有銀行でなくても成立できた。
しかし、1971年のニクソンショック以降、ドルは金との兌換を廃している。そうなれば当然、それ以降のドルの発行はアメリカ政府が管理すべきものとなる。→税収と国富で価値を担保しなければならないためである。
同様に基軸通貨のドルが不換紙幣化すれば日本銀行など各国の中央銀行もすべて完全国有化しなければならなかった。そうしなければ通貨の価値が維持できなくなるのは明らかである。それにもかかわらず、中央銀行の国有化は断固阻止されてきた。むしろ「中央銀行の独立性」なる美名(プロパガンダ)のもと、国有化どころか政府の影響力を排除してきた。国有化できなかったのは「ディープ・ステイト」の存在にあった。700の組織は、こと通貨支配権に限って、各勢力が積極的に協力してきたのである。それが自分たちの権力基盤になるからだ。通貨を握ることで世界を支配してきたのである。ゆえに、革命の主戦場は、通貨を巡る戦いとなっていく。新しい金融システムを生み出すことでディープ・ステイトの支配体制を終わらせ、新時代を築くことが大切である。