(6)スティーブ・ジョブズが最後に言いたかったこと
秋山「スティーブ・ジョブズの最後のビデオは観ましたか? 「世の中で一番高くつくものは何か知っていますか?」「シックベッドです」みたいな。「車の運転手はお金を払えば代わりがいるけれど、このベッドで横になる代わりをやってくれる人はいません」と言う話でした。お金とかも極めた人の言葉ですから、重みがありますよね。お金はある程度揃ったら、それ以上追い求めない方がいいと。」
船瀬「ジョブズも早かったよね。56歳で亡くなって。本当に残念だ・・・。」
秋山「そうそう。その最期のビデオが胸を打ちましたね。お金がある程度あったら、音楽や芸術や、自分の好きなものに時間を費やしたり、家族との時間を大切にした方がいい。」
船瀬「本当にそう思うよ。昨日、だから矢山君に行ったんだよ。「ちょっと休まないと駄目だ」ってね。医術と言う人の命を救う仕事やっていて、本人はすり減っているんだもん。」
秋山「あの方は武道家でもありますよね。昨日も、武道の技であるならば、一度見ればすべて覚えられるっておっしゃっていましたね。」
船瀬「言ってた言ってた。僕は、映画見たら、シーンとかが全部頭に入るんだって言ったら、僕は格闘技だ、と。面白いよね。僕は芸能演劇の方に興味があるけど、彼は武道家なんだね。見ただけで大体、型がわかるって言っていた。」
秋山「その矢山先生のお写真見て、お坊さんかと思ったんですよね?」
船瀬「そうそう。高野山の高僧みたいな顔で写ってた。ずっと、年上だと思ってたもんなあ(笑い)。おまけに、彼は心優しい奴だからね。」
秋山「そう。空海とご縁がある方だから、そこを見通されたわけですよ。」
船瀬「あれ、この方は悟りを開いたお坊さんみたいな顔をしているなと思って、興味があったので、とりあえず電話してみたんです。」
秋山「そうしたら?」
船瀬「船瀬さん、僕は田川高校の後輩よ」って言うから、「ええ?」ってビックリしました。「妹の不二さんと同じクラスやったけん、不二さんどげんしよっとですかね」って言うから、「あなた不二と同じクラスやったん?」って聞いたら「うん、懐かしい」って言ってさ。だから僕より2つ年下。ずっと年上の方だと思っていた。」
秋山「すぐ先輩の立場に逆転ですね。」
船瀬「急に上から目線になって(笑い)。それから矢山君なんですよ(笑い)。」
秋山「そうそう。矢山先生を、いろいろ行政からも助けて差し上げたりね。」
船瀬「立ち入り調査が来たときに、僕は「テメェら、首洗って待ってろ!」って怒鳴りつけてさ。あれは痛快だったよ。三船敏郎になったんだよね。日本の厚労行政はヤクザ以下だね。僕は、用心棒役の顧問として、待ち構えていたんだ。すると、ぞろぞろ11~12人やって来やがった。中には中央本庁の厚労省から来た奴もいた。それに、地元の医師会の会長も雁首揃えて来たね。そして、冒頭に、担当者がこう抜かした。「これまで、矢山クリニックに3回立ち入り調査をしましたが、問題がありませんでしたので、監査に入ります」 呆れたね。調査で問題が無ければ、監査なんて必要ないでしょう。嫌がらせが見え見えなんだ。僕はこう言ってやった。「おい、ちょっと待て! 刑事でも、家宅捜査のガサ入れの時は、裁判所に、容疑を申し立てて「令状」を出してもらうだろう。じゃあ、矢山クリニック監査の容疑は一体何なんだ! 答えろ!」 もう完全に三船敏郎が入ってたね。だって、椅子に胡坐をかいて、腕組して睨みつけているんだ。相手は、ハトに豆鉄砲ですよ(笑い)。「…あ、あの…容疑はですね。監査が終わってからお伝えします・・・」これには、僕もぶち切れた。「なんだと、もう1回言ってみろ。いいか、テメェらのやっていることは立派な違法行為だ。刑法第293条違反、公務員職権乱用の罪、並びに刑法233条、営業妨害の罪、並びに刑法230条、名誉棄損の罪、並びに、行政手続法違反・・・」と、罪状を大声でまくしたてた。まるで謙治の論告求刑だ。そして、こう言ってやった。「いいか、テメェらの名刺は、ちゃんとこちらにあるんだ。全員、刑事告訴するから、首洗って待ってやがれ!」そしたら、隣の矢山が「先輩、頼むからもう少し抑えてください・・」と袖を引っ張りやがる。だから、あいつにも言ってやったよ。「ウルセェ、用心棒の足を引っ張る奴がどこにいる!」 完全に、嫌がらせに来た役人連中は、凍り付いていたね。後で矢山君に聞いたら、あの隣にいた顧問弁護士が、耳打ちしたんだって、「次回から、船瀬さん、呼ばない方がいいですよ。役人怒らせたら後が怖いですよ」 弁護士ですら、こんな弱腰だから、奴らは付け上がるんだ。ちょうど、この時社会保険事務所から、来ていたおとなしそうな奴がいた。こいつが、私の親友、映画評論家の西村雄一郎と佐賀西高校の同級生だった。そのあと同窓会で、西村が聞いたそうだ。「矢山先生んとこの立ち入り調査、どうなってるんだ?」 すると、耳元でこうささやいたそうだ。「他で言うなよ。アレハは、船瀬さんが言っていることが全部正しい」 さらに、後日談がある。この嫌がらせを指揮していた厚労省課長、住友某が、あとで数百万円の収賄罪で逮捕されやがった。金をくれた病院には、立ち入り調査に手心を加え、自然療法をやっている矢山クリニックなどには、嫌がらせをやって来た…というわけだ。どうだい! 日本の役人は山口組よりたちが悪いだろう。」
秋山「さすが、船瀬先生ですね(拍手)。感服しました。」