(6)アマゾンが本気で日本の取次を潰しにきている?
山口「音楽業界でも、ツアーで儲ける時代なんですよ。cdとか売れないから。ダウンロード販売はできてるんだけど、そんなに銭になるものではないので、アーティストの事務所は基本的にツアーで儲けてるんですよ。リアルに会えるというのがビジネスのヒントです。」
飛鳥「この間も、お主船橋でやったよね」
山口「船橋でやりましたよ。儲かりましたよ。」
飛鳥「あれ、びっくりしましたよ。今まで女の子が出てたのに、敏太郎が自分で出始めたぞ、すごいなって」
山口「やってくれって意見が多かったので。リクエストが多いので年に何回か僕もツアーをやろうかなと。これからも、ファンと直接触れ合うイベントを増やしていくつもりです。自分でいろいろなものを発売していきます。それは、cdにしてもdvdにしても。あと、海外に向けて商売をやっていこうと思っています。」
飛鳥「英語版とかフランス版って、絶対押さえておかなきゃいけないですね。日本の音楽業界は、これをサボった結果、今のような体たらくに陥ったわけです。どんな曲も、英語版とフランス版も当たり前のように同時に出すべきで、日本発日本着の時代しか知らない老害はいなくなるべきです。」
山口「そうなんですよ。この前、フリーメイソンのロンドンの人が、僕の妖怪図鑑を持って遊びに来たので、この本をイギリスの出版社と話つけてくれってお願いしたんですよ。この西東社の日本の妖怪大百科は韓国でも台湾でも売れていて、日本でも11万部を記録しています。」
飛鳥「実は、今アマゾンの発言がすごいですよ。日本の流通はアマゾンが仕切ると言っている。」
山口「そんなこと言っていますか。いやはや、黒船だ。」
飛鳥「トーハンとかは潰すとも言っていますね。アマゾンが各出版社と直接やると。」
山口「取次を潰すってことですね。」
飛鳥「だって、考えてみたら僕も自分の出版社持って初めてわかったんですよ。アマゾンは売れた翌週に振り込まれるんです。取次を通すと、配本した本が売れたお金が振り込まれるのは7カ月後です。だから、大きな取次の一つが潰れたときに、連鎖反応で潰れた出版社が沢山あったんですよ。」
山口「取次、また潰れますね。怖い時代になりましたね。」
飛鳥「7カ月後だよ。本が売れても7カ月後って、これ江戸時代よりひどいですよ。」
山口「取次という制度は日本だけですからね。」
飛鳥「アメリカの合理主義的から見たら、こんなのは潰せってことなんですよ。」
山口「永岡書店という出版社が、日本中でだいたい200店舗ぐらいの本屋と、直接契約しているんですよ。もうこういう版元しか生き残れない時代なんです。」
飛鳥「そういう前兆は起こってるんですね。」
山口「そうです。取次は2割ぐらい取るじゃないですか。店舗の利益が2割ぐらいでしよ。版元の実際の利益は2割ぐらいですか。」
飛鳥「アマゾンがすごいのは、作家の印税が74パーセントなんです。74パーセントですよ。」
山口「でも国益からすると、アマゾンは税金を払っていないという問題がありますから。」
飛鳥「タックスヘイブンですね。」
山口「ええ。ワンワールドの手先とか噂されていますし。」
飛鳥「それで、書店はどうなるのだとなるのですが、アマゾンはすごいですよ。アマゾンのロゴマークのある書店だけが残るってことになるかもしれない。アマゾンが日本の書店を制覇する時代が来るのかもしれません。」