(8)歴史から学ぶ、天占易学をつくる
五島氏は、歴史波動学と言うのを作ったという。歴史には周期性があり、似たようなことが繰り返し起きている。これがわかれば、将来もある程度予測できるのではないかと考えたわけである。五島氏がこれを作った動機は、いずれアメリカと中国が拮抗するだろう、そうすると自分の外から学ぶものが無くなる時代が来る。そうしたら日本人はどうしたらいいのか。自分の中からモデルを出すしかない。そうすると、歴史から学ぶのが一番いいのではないかと考えた。
ドイツの基礎を作ったビスマルクは次のようなことを言っている。
「愚者は自分の経験しか信用しない。賢者は歴史から学ぶ」
自分が経験しなくても、先人が経験したものの積み重ねがある。だったら、そこから学んだ方が賢い。つまり、歴史を非常に重視している。すると、聖者は神から学ぶのだろう。例えば、ヒマラヤの奥の方にヨガの大聖者がいるが、この方たちは特に歴史も学ばずに、人生経験もないのに、経営者に対して的確なアドバイスができるという。これは神から学んでいるからである。
自分で学ぶか、先人たちが積み上げた歴史から学ぶか、神から学ぶかの三択である。どうも世界の超一流と言われる人たちは、最初から神を目指しているようである。
マザー・テレサは神がなさりたいことを私はしたい。アインシュタインは、神が考えていることを私も考えたい。このように、最初から神にターゲットがある。
五島氏は、歴史には周期性があるのを見て、最初に歴史の周期パターンを9種類ほど発見したという。惑星(水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星)が9つあるように、歴史にも9つの波動があることを発見したわけである。その周期パターンを波動の合成で作ってみたという。波動の合成とは、きれいなサインカーブを積み上げていくと、あらゆる波をつくることができる。これをフ―リエ解析という。複雑に見える波も、いくつか合成していくと再現できる。つまり、最初からきれいなサインカーブを見つけていけばいいのである。そうすると、上が陽で、下が陰になる。ここから、今度は個人の運命を割り出す天占易学という占いを作ったという。五島氏が、古今東西の占いを研究したら、共通点は星の運行であることがわかり、星の運行を最初から相手にした占いを作ったという。これは歴史波動学から出て来るのである。
歴史波動学の重要な点は、プラスがあり、マイナスがあるということである。歴史波動学は個人の一生で起きることが国家でも起きる、天体で起きていることは、地球でも起きるということである。地球から南百光年も離れたところの出来事が、実は地球にも影響しているということである。
マクロとミクロの相関性という点で行くと、連鎖している。小さな体を与えられて、神様は何を学べというのだろうか。日々の生活を営むだけで悟れるようにしているからである。マクロもミクロもお互いに相関関係があるから、ミクロの私たちが悟れば、マクロの宇宙のことも悟れるということである。日常生活で学んだことが、実は天体の大きな動きにも影響する。目に見えない腸内の微生物の動きにも影響する。だから、人生をまじめに生きるところに意味がある。関連性があるからである。