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神は何を望んでいるのか(16)

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(16)平成の松下村塾を目指して

 五島氏は、小さい頃から不思議な能力が備わっていた。田舎のお爺さんやお婆さんの体の具合が悪いところを、さすってあげるうちに治っていくということがあり、20歳くらいの時に、光体験をして宇宙と一体になる(宇宙即我)という感覚も体験したという。個人的には理論物理学や数学が好きで、クールで理性的な方でしたので、神が降りてきても宇宙人が降りてきても、特にのめり込むタイプではなかったという。

 それでも、五島氏が見たり聞いたりした世界が、本当のものであれば、日常生活でも応用できるのではないかと思い、商売の修行もし、会社経営もしてきたと言う。33歳の時に、自分の能力を応用できるのではないかと思い、気功法の道場も始めたと言う。

 当時は五島氏もサービス精神が旺盛で、摩訶不思議なことをやっていると、日常生活から浮いてしまう人が多発して、オーラが見えたり、隣の家の数を透視したりできる人が沢山出てきた。隣の家に行って「今晩のおかずはめざしでしょう」と聞くものだから、ビックリされる。「それはいかんよ。そのように人を驚かせたり、興味本位でするものではない」と五島氏が忠告した。しかし、その後、その人はお腹にオデキができる、勤めている会社は倒産するなどいいことがない。その時に、力というものは単独で使うと人を不幸にする場合があると悟ったという。これを助長していると、世間から浮いた人が出て来る。それは五島氏の本意ではない。方針を変えて、平成の松下村塾を目指し、心の教えを中心とした、気功セミナーとしていったという。

 エネルギーの強さと幸せは別物であり、宇宙の存在形態は光・エネルギー・循環の3つである。勿論、気とか不思議なパワーを否定するものではないが、それに頼ってはいけないということである。何のためにそれらがあるかと言うと、人間が幸せになるためにある。

 ところが、精神世界に入って幸せにならない人の方が多いのはどうしてか? 先日も五島氏の講演を聴いていると、「眉間がピリピリして頭の中で割れるような音がします」という方がいた。

「これでいいのでしょうか?」とその方に聞かれたので、「血圧が高くないですか?]と五島氏が聞き返すと、「ええ、高いです」と言う。「エネルギー、エネルギー」という方は血圧が高い方が多い。上半身に血が集まってのぼせてしまう。エネルギーとはそんなものだという。

 エネルギーの高まるブレスレットとか水晶で気分が悪くなる方がいるが、それも血圧が上がるからである。エネルギーが上がるということは、緊張しているから、交感神経が興奮して局部的に血管を圧迫して1点に集中する。つまり、エネルギーと言うのは、1点に宇宙のエネルギーが集中した状態で、この時に念写とか、気を入れると味が変わる。頭からパワーを入れると体が勝手に動く。UFOを見た、空間から何かが出てきたと言うことが起きる。これらは全部エネルギーが発生させている。

 でも「それとあなたの幸せとはまったく別個です」と言うと、ほとんどの方は目を丸くするという。なぜなら、エネルギーと言うのは宇宙の存在形態の1部にしかすぎないからである。その形態は全部で3つある。1つは光として、それからエネルギーとして、最後は循環としての形態である。

 今の精神世界は、エネルギーでしか捉えていないところから、もう1歩前進する必要がある。人間が本来身に着けなければならない力は、もっと違う世界にある。

 宇宙の諸相や万物の在り方を、根本から考えた時に、これからは循環ということを学ばなければならない。エネルギーを取り入れたら、体内でグルグル回す必要がある。頭だけではなく、心臓にも肝臓にも胃腸にも循環させなければならない。循環は、お互いに幸せを分かち合うと自分の所にも返って来る。世の中には循環という仕組みがある。与えたものが返ってくる。それが宇宙のメカニズムである。

 最後は光である。疲れた心身を癒すために、睡眠中に私たちの意識は幽界に行く。その世界で生命の力をいただいて帰って来る。だから、朝リフレッシュして元気になるのである。私たちが、一切の執着を捨てて無になった時に、生命力がドンドン入ってくるという。瞑想中や睡眠中に入ってきた光は、1点に集中させればエネルギーになる。それを全身に循環させれば血行もよくなって、健康も改善されていく。全ては3つの要素のバランスである。


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