(40)臭いでクラクラする洗剤、消臭剤の「香害」
最近はアロマブームである。合成洗剤にまで、様々な合成香料が配合されている。「安物の香水で気分が悪くなった」という。高級な香水は本当のフラワー・エッセンスであり、安物は言うまでもなく精油系の合成香料である。テレビでCMしている「いい香りの洗剤」や「消臭剤」は全て安物の不自然な合成香料である。
自然な花などから採取、抽出した天然香料なら、あんなに安く販売できるわけがない。最近「公害」ならぬ「香害」が問題になっている。合成洗剤、柔軟剤、消臭剤から抗菌剤まで、人工の合成香料をタップリ配合している。そのため、その人工香料で頭が痛くなる。まさに「香害」である。合成香料は一つの鏡面体から成る不自然な存在だからである。香料専門家ですら、この合成と天然を分ける「手の命題」については全く無知である。だから、身の回りを合成香料だらけにして「香害」をばら撒いても全く平気なのである。
確かに合成香料も半分は天然系の香りであり、昨今のアロマブームでも、主役として大活躍している。しかし、天然香料と同じ正しい波動エネルギーは出していない。そのことを理解しておくべきである。
洗剤や消臭剤の合成香料で頭が痛くなった。気分が悪くなった。それは乱れた香りの波動に心身の波動が共鳴し、乱れていることの証しである。つまり、化学物質過敏性を引き起こしているのである。これは「文明の病」である。不自然な合成化学物質が身の回りにあふれているため、心身が過敏に反応しているからである。新築の家に住んで頭が痛くなる、呼吸が苦しい、イライラするなど、シックハウスの仕組みが典型である。
石油合成化学が起こったのは20世紀であり、それ以前には、合成香料は全く存在していなかった。つまり、古来から伝統的な精油療法は、合成香料とは無縁だった。「アロマテラピー」という言葉自体、フランスの調香師ルネ・モーリス・ガットフォセが唱えたものである。「アロマ」(芳香)と、「テラピー」(療法)をかけ合わせた造語である。この伝統医学は1990年以降、世界的に大流行している。医療現場でも以下の効能が確認されている。
①ストレス疾患、②うつ病、③不安症、④睡眠障害、⑤月経困難、⑥不感症、⑦疼痛・・・・。
現在、アロマテラピーニア2つの流れがある。
①美容を目的とする「エステティック・アロマ」
②医療、介護、看護で用いるのが「メディカル・アロマ」
日本の医療現場は、フランスの「芳香療法」の影響を強く受けている。よって、民間の「アロマテラピー「との混同を避けるため、あえて「アロマセラピー」(香り療法)と呼んでいる。つまり「テラピー」は美容、「セラピー」は治療法なのである。
さらに欧米では3つの流れに分類される。
①アロマセラピー(芳香療法)→心身の不調を癒す植物芳香療法である。慢性うつ病などの精神的障害を軽減する目的でも施術される。
②アロマトロジー(芳香物質学)→芳香物質の医療効果を研究している。内服、座薬、塗布、膣内への利用もある。
③アロマコロジー(芳香心理学)→芳香物質と人間の心理作用や脳への影響を研究する。人間の感情、情動だけでなく、行動に良い影響を与える香りの立証も研究目的である。
因みに芳香療法を行う人をアロマセラピストと呼ぶ。欧米や日本では、公的資格が存在しない。そのため知識や能力には大きな差がある。1997年、臨床医を中心に研究団体「日本アロマセラピー学会」(JSA)が設立された。しかし、日本では保険診療と保険外診療の併用(混合診療)は原則として禁止されている。そのため、婦人科などを除き、医療の現場ではほとんど行われていない。
「アロマテラピー」を実際に体験されることをお勧めしたいと船瀬氏は主張する。その大前提は100%天然精油を用いることである。人口の合成香料では頭痛やめまいなど、化学物質過敏症の症状が現れる。ただし、100%天然精油の効果は素晴らしい。ラベンダー、レモン、ペパーミントなどの芳香を嗅ぐ。目が覚める。芳香を嗅ぐと一呼吸で驚くほどの爽やかな心身の状態になれる。つまり、芳香療法には即効性がある。さらに首の裏側に精油を一滴のばすと、クールな快感が頭に染みわたるという。実にシャキッとする。
古代インドから脈々と伝承されてきた理由が体感できる。世界ではヨガと並んでブームになっているのも理解できる。ヘルス・ケアとしてさらに広がっていくだろう。