(63)「未来記」第十四章 歴史的現代→日本(その2)
核兵器開発と拉致を行う北朝鮮や、日本を仮想敵国とする中国が隣国として存在する以上、アメリカの軍事力が必要というのが大方の流れである。
それにより、「憲法九条」の改正、「周辺事態法」と来て、「米軍再編」による四軍統合機動部隊を担当する中枢司令部の日本移転が起きた。
一見すると、スムーズで現実に即応しているかのようだが、これが曲者である。もし、アメリカが日本を変貌させるために、わざと危機を煽る目的で北朝鮮を利用しているとしたらどうなるのか?
よく言われるように、「北朝鮮には石油がないので侵攻してもアメリカにメリットがないのだから捨ててある」というのは的を得ているが、アメリカにとって北朝鮮を捨てておくことが大きなメリットになることも事実である。つまり、捨てておくほど、日本がアメリカから最新型のパトリオットミサイルを買い、地上配備や海上配備のより精密な迎撃ミサイルシステムの予算を捻出してくるからである。アメリカ製の自衛隊の装備を強化させ、挙句の果てにアメリカ軍の駒として使える機会が増えていく。これほどアメリカにとって美味しい状況はない。
1993年2月、アメリカがIAEA(国際原子力機関)の定例理事会で、北朝鮮の寧辺地区にある核関連施設を撮影した衛星写真を提出した。このニュースに日本は慌て始める。同年5月、北朝鮮がノドン1号を発射すると、日本のパニックはさらに増大する。ノドンは湾岸戦争で知られた旧ソ連製のスカッドB型の改良型で、射程距離が1000~1300キロと推定された。もし北朝鮮がノドンに核弾頭を乗せて発射すれば、10分以内で東京で核が炸裂することになる。そこで、アメリカは日本に対して、北朝鮮から日本列島に飛来するノドン(射程約1300キロ、秒速3キロ)を迎撃するために、地上配備型のPAC3システムや海上配備型のNTWシステムを、共同開発を含めて提案してきた。
1994年2月、香港の英字誌「ファーイースタン・エコノミック・レビュー」で見た朝鮮の核疑惑が特集され、アジア中に大センセーションを巻き起こした。そこには衛星写真を基に描かれた北朝鮮の核施設のイラストが載せられ、北朝鮮に核施設があることが間違いない印象を与えた。
このニュースで再び日本では大騒ぎとなり、その間隙を縫うように、今度は香港の英字紙「サウスチャイナ・モー二ング・ポスト」ルートから、ヨーロッパ駐北京大使から情報が流され、北朝鮮が各爆弾数発と核爆弾発射装置を所有していると報じた。まさに間髪入れずに矢継ぎ早の業である。
さらにアメリカの「ワシントン・ポスト」紙が、北朝鮮のプルトニウム製造能力がほぼ2倍に増強され、原子炉開発計画も着々と進めていると報じ、再処理ラインと呼ばれる施設も新たに加わって完成の段階とした。そして1989年~92年に少なくとも1~2個の核爆弾に必要なプルトニウムが製造できたと報告したのである。
これで日本のマスコミは大騒ぎとなり、日本は蜂の巣をつついたようになる。そこで日本政府は急遽、アメリカと「戦域ミサイル防衛構想(TMD)」を検討するに至る。同時にイラクから飛来するミサイルを迎撃したパトリオットミサイル(改良型=2型)の導入が検討され陸自配備に至る。
こうして日本はアメリカの北朝鮮核施設発言一つで一斉にパトリオットミサイルを配備し、TMD導入への動きに入ったのである。パトリオットミサイルの導入は、「F-15戦闘機」や「AWACS(空中早期警戒管制機)」の導入とは異なる問題を背負うことを意味する。
パトリオットミサイルによる迎撃システムは、敵ミサイルを高性能レーダーでキャッチした後、自分で軌道計算して迎撃するような単純なメカニズムではない。敵領土から核ミサイルが発射された場合、上空3万6000メートルに静止している「ミサイル早期警戒衛星(ブリリアント・アイ)」が熱赤外線をキャッチし、発射場所と飛行コースを瞬時に読み取りでデジタル化した情報を軍事衛星でアメリカ本土に中継リレーする。目的地はロッキー山脈の深い岩盤の中にある「アメリカ宇宙軍(スペース・コマンド)」本部である。アメリカ軍はレーガン大統領の時代に付けられた名称で、「NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)」の一部が分かれたものである。
そこに配備されているスーパー・コンピュータが瞬時に解析した迎撃データが、10秒以内に「パトリオットミサイル迎撃部隊」へ軍事衛星で返送リレーされ、初めて迎撃態勢がとられるのである。しかもそれで終わりではない。パトリオット迎撃部隊の地上レーダーシステムが敵ミサイルからの信号を捕捉し、これを地上ステーションで検討された後、初めてパトリオットミサイルが2基発射される仕組みになっている。
これは、日本がパトリオットミサイルを導入しただけで、アメリカの戦略システムに組み込まれたことを意味するのである。だから、アメリカは「6か国協議」をだらだらと待ち続け、北朝鮮が暴走すればするほど、日本をアメリカの絶対支配下に置くことができたのである、安易な現実直視だけではアメリカの戦略にはまってしまう。今の日本人はその理屈がわかっていない。
(歴史的現代→日本(その3)
六天の第二層は、「三十三天」で「忉利天」とも言われ、中央の帝釈天を囲む四つの峰に各八天があり、合わせて三十三天の世界を構成する。
第三層は「夜魔天」で、地獄に堕ちる人の生前の善悪を審判し、懲罰する閻魔大王の支配する世界とされる。
第四層は「兜卒天」で、釈尊は一時この天界に住んでいた。内外二院あり、内院には将来地上に降る弥勒菩薩が座していて、外院は天衆が住むとされている。
第五層は楽園の「化楽天」で、俗界の楽園世界が広がっている。
第六層は「他化自在天」で、悪魔が支配するとされている。仏教修行者を色や欲で惑わし、快楽に溺れさせて滅亡させる。
「太平記にも「第六天魔王集まって、この国の仏法弘まらば魔障弱くしてその力を失ふべしとして、彼応化利生を妨げんとす」とあり、仏道を妨げる対象として第六天魔王が記されている。
安倍晴明の著に仮託される「ホキ内伝」巻二にも、「今、この第六魔王は天界最上層の他化自在天宮に住みながら、仏界を除く九界の出家や俗人を惑乱させている」とある。実は、四天王の降り立ちから以降、日本は日蓮の邪教によって平和国家から大きく道を逸脱し、国内は今以上に大いに乱れ始めると預言する。
公明党がしでかした悪行に一つは、選挙公約にある「福祉を念頭に置く政党」を建てに、創価学会の坂口力厚労大臣(当時)を中心に、「100年安心プラン」と銘打つ年金改革法を成立させたことである。その前提が少子化停止と出産増加の嘘のデータだっただけに、嘘の上に積み重ねた砂上の楼閣となった。結果、改正後18年間も毎年保険料が増え続け、それ以後も少子化が進めば、100年安心どころか3年で崩壊、その後更なる保険料増加という地獄が待ち受けるだけになった。
公明党の参道で2004年に始まった「自衛隊のイラク派遣」も、名目はサマーワヘの人道復興支援だが、結果、戦闘地域に陸上部隊を派遣した実績を作ってしまった。それが「憲法改正論」に発展し、イラク派遣の実績を見たアメリカに、自衛隊との一体化を推し進めるきっかけを与えてしまった。後はなし崩し的にアメリカの言いなりとなり、米軍再編によってさらに日本占領と植民地化の道を歩むことになる。
選挙でどっちが勝っても、公明党は与党と野党を天秤にかけながら生き延びるすべを身に着けた。憲法違反で排斥されない限り、創価学会は日本のいくすっを決める政党に食らいつき続け、さらなる神罰を日本に招き寄せる。そればかりか、世界にも害毒を流すきっかけを作ることになる。四天王の降臨以降、忉利天からは世界最終戦争の後に起きる出来事が記されている。