(62)「未来記」第十四章 近代日本の預言
(第十四章の読み下し全文)
日域の末世の中彼の三悪魔流布せん 見聞と雖も禁断せざるは六天の魔王の便りを得 異国の蒙古は歓喜を為し 牛馬は人の如く言語し 魚膾は羽を生やして虚空に飛び 巌石は眼口を現し 夜半に日輪を見 北方に月輪を出さん
(第十四章の現代語訳)
日本国の仏法の衰えた時代には、かの三悪魔が世に知れ渡る。見聞するだけでも決してしてはいけない。もしそれが守らなければ六天の魔王(三界の内の欲界の六天。四王天、忉利天、夜魔天、兜卒天、化楽天、他化自在天)がこの地に降り立つ。異国の蒙古は大そう喜び、牛や馬は人間のように話し、魚のなますには羽が生えて空を飛び、巌石には眼と口が出現し、真夜中に太陽が現れ、月が北の方角から出て来るであろう。
(歴史的現代→日本(その1))
神楽演目「八幡」の中で、「宇佐八幡宮」に祭られる八幡神に退治される悪鬼、六天の魔王が下って日本をズタズタに切り裂くとある。六天の魔王とは「四王天、忉利天、夜魔天、兜卒天、化楽天、他化自在天」のことで、これらが降りると、その国は亡国に向かう。同じことが、明治・大正・昭和の三代を、裏で支配した軍の暴走の結果、日本全体に災いとして下っている。これを「三悪魔流布」で象徴されている。
それと同じことが、日蓮の原理主義を標榜する創価学会が国を動かす現在にも起きると「未来記」は預言する。日本の仏法の衰えを、日本経済の衰退ととらえた場合、責任与党は自民党と公明党である。自民党は、長期政権の間に官と手を組んで腐敗し、政官財の底なしの癒着を作りあけた。その結果、バブルを誘発して破裂させ、挙句の果てに日本経済を疲弊させたのである。その後、改革を連呼する男が出てきて、全ての福祉制度を破滅させた。
本来、終わっていなければならなかった自民党だが、創価学会が支えることで蘇ってしまった。結果、日本に不可欠だった政権交代による自浄作用が全く働かなくなり、小泉劇場という末期症状で国民を欺く事にも創価学会は手を貸すことになる。
異国の蒙古とは、本来はモンゴルを指すが、現在の蒙古は日本に土足で入り始めたアメリカである。創価学会がキーマンとなった結果、小泉自民党が圧勝し、それで何が起きたかは一目瞭然である。構造改革はいつもの看板のすげ替えで終了し、弱者切り捨てと格差社会が訪れただけである。そればかりか、「医療難民」という事態まで引き起こした。
戦後最大の「イザナギ景気」を抜いたというニュースも空ろに響き地獄のような日々が訪れる日本になってしまった。これを「未来記」は「六天魔王」による天罰と記している。
そういう政党を選び続ける日本人が、自ら災難を招き寄せるという意味である。六道の中、天人が住む天道界は六層に区分され、最下層が「四大王衆天」で、四方を守護する東の持国天、南を守護する増長天、西を守護する広目天、北を守護する多聞天が支配するとされている。
この四大王衆天が地上界に最も近く、その四方の中心にこの世が存在する。そこに「木・火・土・金・水」の陰陽五行説と絡むと「未来記」に記される以下と一致する。
牛馬は人の如くで「午」の方位の南で火。これは四天王の増長天。
魚膾は羽を生やすで鳥の「酉」となり方位の西で金。これは四天王の広目天。
夜半見日は太陽の「卯」の方位の東の木。これは四天王の持国天。
北方出月は北の「子」となり水。これは四天王の多聞天。
巌石は石で五行配列の中央で土。四天王が囲むこの世のことで、日本を指す。
四天王が東西南北を示し、政治に日蓮を受け入れた日本に対して、四天王の鉄槌が下ることになっているのである。
日本列島は4つのプレートが東西南北に配置されている。東は太平洋プレート、西はユーラシアプレート、南はフィリピン海プレート、北はオホーツク海プレートである。もし世界に天変地異が襲うとすれば、世界最大のプレート交差点にある日本が、真っ先に八つ裂きになることだろう。これは陰陽道の中核である「木・火・土・金・水」の五行をも意味し、それの最も重要な点は、時間と空間の双方を表記することにある。
時間は「木=朝、火=昼、金=夕方、水=夜」を意味し、季節は「木=春、火=夏、金=秋、水=冬」で、土は各時間と季節にまんべんなく含まれ、各季節の18日間を「土用」とした。
一方、空間は「木=東、火=南、金=西、水=北」で「中央=土」となり、土は四天に取り囲まれた世界(土)を暗示し、十字架に掛けられた状態を意味する。それは磔刑であり、イエス・キリストの天の奥義を軽んじたユダ(日蓮)によって磔刑にかけられる世界(日本)を意味する。