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聖徳太子の「未来記」開封(61)

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(61)日本の衰退を招く三悪僧の宗派

(「未来記」第十四章の全文)

日域末世中彼三悪魔流布 雖見聞不禁斷者六天魔王得便 異国蒙古為歓喜 

牛馬如人言語 魚膾生羽飛虚空 巌石現眼口 夜半見日輪 北方出月輪

(読み下し全文)

日域の末世の中彼の三悪魔流布せん 見聞と雖も禁断せざるは六天の魔王の便りを得

異国の蒙古は歓喜を為し 牛馬は人の如く言語し 魚膾は羽を生やして虚空を飛び 巌石は眼口を現し 夜半に日輪を見 北方に月輪を出さん

(現代語訳)

日本国の仏法の衰えた時代には、かの三悪魔が世に知れ渡る。見聞するだけでも決してしてはいけない。もしそれが守れなければ六天の魔王がこの地に降り立つ。異国の蒙古は大そう喜び 牛や馬は人間のように話し、魚のなますには羽が生えて空を飛び 巌石は眼と口が出現し、真夜中に太陽が現れ、月が北の方角から出て来るであろう。

(現代注釈訳)

「日域」とは日本のこと。「末世」とは末法の世の意味もあるが、衰退の意味と終末の意味もある。

「六天」とは、三界の内の欲界の六天。つまり四王天、忉利天、夜魔天、兜卒天、化楽天、他化自在天のことを指す。彼らは憤怒により地を裁いて打ち砕く。「蒙古」とは元軍のこと。「馬」は午で陰陽五行説の火を示す。「魚膾生羽」は翼がある以上は鳥で、酉は陰陽五行説の金を示す。「巌石」はそのまま陰陽五行説の土を示す。「夜半見日」は太陽の東の卯で、兎となり陰陽五行説の木となる。「北方出月」とは北で子となり、十二支の鼠で陰陽五行説の水となる。方位でいうと、卯は「東」、酉は「西」、午は「南」、子は「北」で東西南北の四方を示し、土は五行配当で中心を示す。

(歴史的事実)

 宗派の開祖たるものが、罵詈雑言と誹謗中傷を生業としたり、安易な救いを約束して布教を弘め、武力集団を組織するほど仏陀の教えから離れ去った教えはない。多くの民がそれに従うことは神仏に逆らうことであり、神仏を軽んじることを意味する。よって、国はさらに乱れ、神罰が民の上に下るときが来る。聖徳太子の「未来記」はそのことを預言している。

 神仏が激烈な怒りで地を打つとき、主従が逆転し、同族が殺し合い、親子が殺し合い、夫婦が敵となって相争う時代になる。すでに鎌倉時代はその傾向が強く表れ、多くに民は一遍、親鸞、日蓮の魔道の教えに傾倒し、混乱を招いて止まることを知らないと「未来記」は言う。それに乗じて神仏は仏罰神罰を与えるため強大な大敵を日本に向かって招き寄せる。それが元寇であるならば、「未来記」は飛鳥時代からそのことを見ていたということになる。

 法然は1133年~1212年の生涯。親鸞は1173年~1262年の生涯。日蓮は1222年~1282年の生涯である。元寇は最初「文永の役」が1274年、二度目の「弘安の役」が1281年なので、まさに国難は「未来記」のとおり、リアルタイムで進んでいたことになる。

 陰陽五行説では東西南北を、東=木、西=金、南=火、北=水、中=土とした。これを「五行配当」と呼び、土地を中心に置く「陰陽主運説」や「土王説」と呼ばれた十字構造を構成する。

 一方、五行相克説や相生説では、木・火・土・金・水を、円周の上に等間隔で配置し、中心をおかない。他に対立構造の相克説と、順次発生構造の相生説がある。

 「未来記」は明らかに五行配当に主眼を置いており、十字構造の中心には土を置き、あえて目と口があるとして人を象徴している。カッバーラではアダマ(土)から作られたアダムカドモンとなり人を暗示する。

(参考資料)

 陰陽五行説の「相生」と「相剋」という2つの関係配列も紹介する。

「五行の相生」→木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ずという関係をいう。この順序を「木・火・土・金・水(もくかどごんすい)」」と言い、お互いが助け合う良い関係にあるとする。

「五行の相剋」→木は土に勝ち、土は水に勝ち、水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝つという関係を言う。「木・土・水・火・金」の関係は、お互いに背を向け、ついには殺戮しあうほどの悪い関係にあるとする。

 「水火」という言葉は今でいえば、「水と油」で、エジプト神話のマルタとシリウスの悲しい悲恋物語が浮かんでくる。

 


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