(61)「七つの頭・十本の角・七つの冠の竜」の解き明かし
太陽と月と12の惑星が太陽系にすべてそろうことになる。かけたヨセフの星、フェイトンの穴も、新たな惑星の誕生で埋められ、最終的には12個の惑星がそろうのである。→①水星 ②金星 ③地球 ④火星 ⑤木星 ⑥土星 ⑦天王星 ⑧海王星 ⑨冥王星 ⑩超冥王星 ⑪惑星フェイトン ⑫惑星ヤハウェである。
さて、地上の人々は真っ赤に燃える灼熱の天体を見ることになる。それは赤く長い尾をたなびかせる巨大彗星で、天空にのたうつ竜に見えることだろう。その時、地上は悪の極限に達し、サタンが猛威を振るって支配している。
「また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、火のように赤い大きな竜である。これには七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた。」(新約聖書「ヨハネの黙示録」第12章3節)
「赤い大きな竜」はサタンを示している。「赤」は血と罪の象徴であり、「大きな竜」は悪霊より巨大な悪の存在を示す。そして、「火」は地獄の象徴で、新しい天体も地上を地獄と化す狂暴星である。
ヨハネは、黙示録の中で、原始キリスト教会の出現とともに、サタンに従う教会についても暗示している。その教会は巨大で「七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた」という。
実は、ローマの周囲には7つの丘がある。
「①カンビドリオ(旧・カビトリヌス)の丘 ②パラティノ(旧・パラティヌス)の丘 ③クイリナレ(旧・クイリナリス)の丘 ④ピンチョの丘 ⑤アベンティノ(旧・アウェンティヌス)の丘 ⑥ジャニコロの丘 ⑦オッピオ(旧・オッピウス)の丘」
この7つの丘を「七つの頭」と理解すれば、冠となる聖堂もローマには7つあるから「七つの冠」と一致する。
6世紀、バチカンはそれらを「七聖堂」とよび、巡礼のコースに指定した。
「①サン・ピエトロ寺院 ②サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂 ③サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂 ④サンタ・マリア・マッジョーレ教会 ⑤サン・ロレンツォ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂 ⑥サンタ・クローチェ・イン・ジェルザレンメ聖堂 ⑦サン・セバスティアーノ聖堂」
では「十本の角」は何かというと、竜の中核である頭から生まれる「権力者」を暗示している。権力者は、王であり、皇帝であり、独裁者であり、大統領である。
これらは大枠の比喩であり、実際それが何を表すかについて、ヨハネは後の個所で踏み込んで記しているため、詳細な解釈はその時にしたい。
「竜の尾は、天の星の三分の一を掃き寄せて、地上に投げつけた。そして、竜は子を産もうとしている女の前に立ちはだかり、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖ですべての国民を治めることになっていた。子は神の元へ、その玉座へ引き上げられた。女は荒れ野へ逃げ込んだ。そこには、この女が千二百六十日の間養われるように、神の用意された場所があった。」(新約聖書「ヨハネの黙示録」第12章4~6節)
「竜の尾は、天の星の三分の一を掃き寄せて、地上に投げつけた」は、天界の大戦争でルシフェルが引き寄せた天使の3分の1を、獄に落としたという意味である。そのサタンが原始キリスト教会に立ちふさがるということが、「竜は子を生もうとしている女の前に立ちはだかり、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた」と表現されている。一方、創世記の前の出来事であり、もう一方は未来に起きる出来事という両義預言になっている。
原始キリスト教会が出現し、シオン(神の王国)を生み出そうとしたとき、三位一体を唱えるすべてのキリスト教会は連合して、徒党を組んで弾圧してくる。しかし、原始キリスト教会は高い山に逃れて生き残り、そこから福千年を支配するシオンが生まれ出る。それが「子は神の元へ、その玉座へ引き上げられた」で示されている。
「鉄の杖ですべての国民を治める」のは、福千年の間に復活する善行を成した人々を、「鉄の杖」である神の言葉で納めることを暗示する。これが福千年の様相であり、女である原始キリスト教会が産む子であるシオンが福千年をもたらすと預言しているのである、
だが、そこに至るまでには、さらなる苦難が待ち受けている。永遠に続く神の王国を築こうとする原始キリスト教会は、対立するサタンの教会によって、荒れ野に追いやられてしまうのだ。それが、「女は荒れ野へ逃げ込んだ」と言う預言であり、そこに「神の用意された場所」である「約束の地」が用意されている。そこが「高い山」の上であることは、前述したとおりである。
「女はここで、蛇から逃れて、一年、その後二年、またその半年の間、養われることになっていた。蛇は口から川のように水を女の後ろに吐き出して、女を押し流そうとした。しかし、大地は女を助け、口を開けて、竜が口から吐き出した川を飲み干した、竜は女に対して激しく怒り、その子孫の残りの者たち、すなわち、神の掟を守り、イエスの証しを守り通している者たちと戦おうとして出ていった。」
原始キリスト教会は、約束の地に行き着くまで、竜に従う大教会の大弾圧と大迫害を受け続ける。
だが、原始キリスト教会が約束の地に根付くまで、神の手で守られる。そこは高い山の上なので、「大地は女を助け」るのである。3年半の間、誰も容易に近づけず、たとえ近づいても戻るしかない。
ヨハネが「神の掟を守り、イエスの証しを守ろ通している者たち」と記していることから、彼らが原始キリスト教徒であることは確かである。後の人々にとって、黙示録のこの記述が、真のイエス・キリスト教会を見分ける重要な目安になるだろう。