(52)「加計学園」闇の狙いは生物兵器の研究か?
「加計学園」スキャンダルは、もはやブラック・コメディだ。
「総理は自分の口から言えないから、私が言う」
これは、前川喜平元文部科学省事務次官が2016年に、首相官邸で複数回、面会した和泉洋人首相補佐官から、直接に「加計学園獣医学部の手続きを早くやれ」と命じられた時の前置きである。
つまり、安倍晋三首相本人が、加計学園獣医学部の設立を鶴の一声で命じているのだ。それを、「私が言うわけないじゃないですか」と安倍首相は逃げ回っていたのだから、滑稽の極みだ。
「私にそんな権限はない」と言う言い逃れも、支離滅裂だ。
今回問題になった国家戦略特区は、「内閣主導で推進する」と明記されている。
つまり、総理主導で推進するのが大前提なのだ。だから、内閣の最高権力者、安倍晋三に最大権限があるのは、子供でも分かる。
これを、一国の総理大臣が幼児レベルの言い逃れで、必死に糊塗し、否定している。
ただ見苦しいし、情けない。
それは担当大臣も同じだ。
「四国に新設することになった」
なんと、山本幸三地方創生担当大臣が、わざわざ日本獣医師会を訪れて、こう告げている。それも、公的な認定の2か月前のことだ。
獣医師会のこの議事録公表で、もう安倍政権はアウトである。
それまでの答弁はすべて虚偽であったことが露見した。その時点で内閣総辞職が当然だった。
この面会記録によれば、まず大臣は「大変申し訳ないが‥‥」と前置きして、こう獣医師会に告げている。
「獣医師が不足している地域に限って、四国に獣医学部を新設することになった」
さらに、その費用内訳まで詳細に説明している。
「今治市が土地で36億円のほか、積立金から50億円、愛媛県が25億円を負担し、残りは加計学園の負担となった」(山本大臣)
問題は、この山本大臣が、獣医師会を訪問した日時だ。→2016年11月17日である。
つまり、この時点で、「加計に決定し、予算配分まで決まっていた」のだ。
2017年7月19日に明らかになった獣医師会の議事録で、「加計ありき」は決定的となった。この議事録は、最終的に面会に参加した複数理事が徹底チェックして、作成されたものだ。だから、信憑性、証拠性は決定的だ。
これに対して、当の山本大臣は「そのような発言はしていない」と必死で言い逃れをした。見苦しいというより、お粗末である。
悪戯の証拠を突きつけられた保育園児が「だって、やっていないもん」とぐずり続けているようなものだ。
東京地検特捜部は、安倍、加計、両名を即、逮捕して当然である。容疑は背任罪と横領罪である。
安倍政権の一連スキャンダル報道を目にしていると、おぞましくなる。連続して噴出する異様な事態は、グロテスクとしか言いようがない。
加計学園問題は、その最たるものだ。この内閣の異様さ、2016年11月17日の時点で、すでに「加計学園」に決定して、予算配分まで事細かに決めて、獣医師会に公式に通知していながら、翌18日に「獣医学部新設の「パブリック・コメント募集」を行っていることだ。これは、獣医学部新設の是非を問い、広く国民から意見を求めるものだ。「ふざけるのもいい加減にしろ」である。とっくの昔に加計学園に決定していながら、広く国民に意見をへったくれもないだろう。つまり、「パブリック・コメント募集」は全くのアリバイ工作だったのである。それだけ、この内閣は国民、有権者をなめ切っている。腐っている。さらに、2017年1月4日、安倍内閣は「獣医学部特区の事業主体の公募」を開始している。とっくの昔に「加計」に決めて、予算配分まで確定済みなのに・・・・。そして、1月20日、唯一応募した「加計学園」が選出されたのだ。世間では、これを「出来レース」と言う。言い換えると茶番である。だから、船瀬氏は加計学園問題は、ブラック・コメディと断じているのだ。内閣も腐っているが、国民も脳の中身もそれに劣らず腐っている。この国は終わりかもしれない。最近、本気で思うようになってきたと言う。