(29)エリザベス女王が目論む「イギリス・アメリカ再統合」
アメリカ経済(ドル)の限界、中国経済(人民元)の台頭、ハザールマフィア勢力の衰退など、混乱を極める世界情勢の中で、新たな統合への動きがみられる。
歴史的にロスチャイルド一族の勃興後、勢力を抑えられていたイギリス王室が、ハザールマフィアの弱体化を契機に本来の力を取り戻しつつある。
現在、エリザベス女王は、アジア、特に中国との友好な関係を継続的に保持していきたいと望んでいる。その第1歩として、アジアの旧王族連合であるドラゴンファミリーと協力体制を築いていて、ロックフェラーが支配した「石油本位制ドル」を「金本位制通貨」に置き換えようとしている。
エリザベス女王がイメージしている未来像は、コモンウェルズ(イギリス・オーストラリア・アメリカ・カナダ)の連携、つまり「英語圏の国家団結」である。そのために、アメリカを再びイギリス連邦に統合しようと目論んでいるのだ。
一方、キリスト教圏の国々に絶大な力を持つバチカン、そしてその上部団体であるイタリアのフリーメーソンP2ロッジは、別の構想を抱いている。長年の悲願であるバチカンを中心としたカトリック・キリスト教圏主導の「世界政府」の樹立である。
その礎を築いたのが、2016年2月のローマ法王フランシスコとロシア正教会モスクワ総主教キリルとの会見である。東西教会が分裂して以来、約1000年ぶりに行われたトップ会談であった。このキリスト教会団結の動きに合わせ、同年10月には、イギリスのエリザベス女王も自らキリル総主教をバッキンガム宮殿に出迎え、非公式の会談を行っている。
そして、2018年2月2日、「バチカンが中国政府公認の司教を認定する」とのニュースが報じられた。1951年にバチカンとの国交が断絶した後、中国は政府公認のカトリック教会(中国天主教愛国会)を設立して、同時に司教を認定していた。そして(政府非公認の地下教会を含めると)900万人の信徒を有するまでに成長していった。
その後、司教の認定権をめぐって両者は対立し続けたが、今回、事実上の合意に達したのである。今後は双方が共同で司教の選任を行うことになるという。
フランシスコ法王は、宗教の融和を旗印にキリスト教だけでなく、イスラム教や仏教の指導者たちにも団結を呼びかけている。しかし、バチカンの上部団体であるP2ロッジは、長らく世界を裏から支配してきた巨大な闇組織である。今後そのバチカンの上部組織が平和的な路線をとっていくとは、にわかには断言できない。彼らが目指す「世界政府」が、世界を平和に導くのか、そうでないのか、今後もその動きを注視する必要がある。