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次期アメリカ大統領はトランプで決まりだ(7)

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(7)不動産王トランプの誕生

 トランプの父親の不動産会社に25歳で入社した。この後自分だけでマンハッタンに移り住み、ニューヨークの都市再開発事業に食い込んだ。自力でホテルの再建築をやり、ホテル業を中心に幅広くサービス産業、流通業を営んだ。そして38歳でニューヨークの不動産王になった。5番街にトランプタワーを完成させたからである。この後、トランプは経営者として成功と失敗を繰り返してきた。

 トランプの年収は副島氏の評価で7億ドル(800億円)ある。個人資産は、100億ドル(1兆円)ある。法人を含めた資産は540億ドル(6兆円)ぐらいだという。富豪達の資産、資金量の評価は難しくて誰にもわからないという。なぜなら、持ち株が半値になることがあるからである。副島氏は世界中の大企業や大富豪の総資産や資金量を、自分の評価能力で冷静に測定してきたという。本当のお金の計算が出来なければ、世の中の大きな真実を測定し、理解することはできない。本物の知識人であるか否かは、この評価能力にかかっていると言う。

 次のアメリカ大統領になるトランプと言う男が自力で這い上がって、いったいどのくらいの資金を持っているのか、評価・測定しておくことは大事なことである。トランプが支配している企業群の保有する不動産全体を合わせると、540億ドル(6兆円)である。これは副島氏が決めつけた金額である。

 トランプはドイツからの移民の3代目である。本当は、東欧系の下層白人の移民の子供なのである。彼は中学時代不良だった。それでミニタリー・スクールに転向している。この後フォーダム大学と言う短大を卒業し、ペンシルベニア大学ビジネススクールに入った。ここでトランプは、ドクター中松の授業を受けている。ドクター中松義郎は発明家で偉い技術者であるが、日本国内では奇人変人扱いである。

 トランプは大学院を卒業して、25歳で父親の仕事を手伝い始めた。父親の会社で鍛えられたトランプは、数年後にはマンハッタンの不動産開発をやりたいという野心を持ち始めた。そこでマンハッタンのアッパーイーストサイドで一番安いアパートに住んだ。トランプは持ち前の強引さでこの地域の社交クラブに潜り込んだ。そして富裕層との人脈を築いていった。

 1976年にグランド・ハイアット・ホテルを開業した。これがトランプの人生最初の大きな成功だった。(30歳) 1983年には5番街(フィフス・アベニュー)の56丁目と57丁目の間にキンキラキンの超高層ビル「トランプタワー」を完成させた。トランプタワーは今もマンハッタンでは値段が最も高いアパートである。トランプ自身もここの最上階に住み、事務所もここだった。ビル・ゲイツもこのビルに住んでいる。

 トランプは不動産事業や、カジノの経営、外食産業、アパレル業、航空業、海運旅行業、さらにはインチキ大学経営まで手を広げた。そしてそれらの事業にすべて「トランプ」の名を冠してブランド化していった。ブランド戦略こそは、現在の重要な世界戦略である。

 2008年にニューヨークとフロリダで「バーナード・マドフ事件」が発覚した。これはユダヤ人が引き起こした巨額投資詐欺事件である。マドフの手法は、無限に資金の提供者が増え続けることを前提に出資者を募る。つまり、増え続ける新たな出資者からの資金を配当の原資に回す典型的な「ねずみ講」である。マドフのねずみ講は20年以上も発覚しなかった。ところがリーマン・ブラザーズの破綻の直後、投資家たちが一斉に資金を引き揚げた。マドフは返却に応じる資金がショートし、ついに事件が発覚した。マドフは逮捕されて、刑事裁判にかけられ、懲役150年の有罪判決を受けて今も服役中である。

 本当は金融監督庁であるSEC(米証券取引委員会)が一番汚れた役所である。SECの金融監督官たちが共犯者だったのである。SECそのものが腐敗していることをアメリカ金融業界の人々はみな知っている。なぜなら、SECの職員からゴールドマン・サックスに転職する者がたくさんいるからである。危険を覚悟で大金を稼ぐならどんなことでもするというのが、アメリカ資本主義の行き着いたところである。


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