（１５）波動方程式で未来が変わる～波動がつなぐ科学と宗教～
これは五島秀一氏と江本勝氏の対談である。
人にも国家にも、そして歴史にもサイクルがあり、その波を正しく理解することで、調和、バランスが取れ、進化・向上と言う宇宙の真理に沿った生き方ができる。陰陽が織りなす波動は世の中の次元を少しずつ上げ、調和を目指している。
歴史というモノが、意味もなく1回限りの一過性のモノであるならば、そこからは何も学ぶことはできない。太陽も、出鱈目な行動をするならば、今のような天文学になっていない。繰り返し現れる現象の中に共通の理を認め、法則化され、世の中の役に立つ学問となるのである。
江本「歴史波動と言うと村山操先生の８００年周期で歴史は繰り返されるという説が有名ですが、同じ論拠なのでしょうか」
五島「私は村山先生がそう言う説を発表されていたことは後から知りました。村山先生は世界史を８００年周期、１６００年周期でひも解かれているようですね。私は「８」と言う数を基本において、その倍数で世の中の現象が説明できると考えたのです」
江本「先生の場合、なぜ「８」を基数にしているのですか？」
五島「中国の易、八卦を学んだことがあげられます。そして、「物事には始まり、真ん中、そして終わりがある」と言う３つの段階があること、更に、元々宇宙は３次元空間であると言ったことからも、「３」と言う数字があらゆる物事の変化を表すものではないかと考えました。そして韓国の国旗にあるように陰と陽がグルグル輪廻しながら調和する。つまり、２つのものが完全に和合するためには、３段階を必要とするのではないか？ ２が分かれて４。さらに分かれて８。2の3乗は８で、陰と陽が生成発展して行く姿が8と言う数字に込められた意味ではないかと解釈したのです。もう一つは、「８」と言う数字の形そのものです。私は幾何学を深く研究した者ですが、メビウス・ループと言う形は、表と裏が一つになりますが、それは陰と陽が輪廻しながら、一つになっていくことを表しています。この形こそが一つに調和しながら発展していく姿ではないか捉えたのです。すると、そこから驚くべき法則性を見出せるようになりました。」
江本「太陽を絶対神と考え、太陽の周りをまわる地球の軌跡は、まさしくメビウス状ですよね」
五島「そうですね。物体がメビウス・ループを描いて運動したときに、現代科学では考えられない高次元のエネルギーが発生しているのではないか、と考えられます」
江本「そう考えると、歴史は繰り返すと言いますが、単に同じことを繰り返すだけではないのですね」
五島「そうです。少しずつ進化していくのです。例えば、大昔であれば、人を殺しても罪を問われませんが、現代では殺人罪で捕まるように、文明や人類もスパイラル上に上昇している。長い年月で見ると、質的に変化していくのだろうと思いますね」
江本「激動の世の中ですが、これからは宇宙まで視野に入れる必要がありますね。「これだけ広い宇宙の中のちっぽけな地球の中で、あなたたちは何くだらないことをやっているの」という意識になり、本当に大切なことに気づかねば、愚かなことは何度も繰り返されていくでしょうからね。」
五島「その通りです。コペルニクス的発想の転換が必要でしょう。昔の人は地球の周りを太陽が回っていると考えた。ところが、現代では太陽の周りを地球が回っているのは常識です。この認識からさらに、太陽自身も銀河の周りをまわっている。銀河自身もある中心点に向かって回っている。という考え方が求められるようになる。宇宙時代の始まりです」
江本「人間の意識の方向性によって、今までの流れ、周期と違う方向に行かなければなりませんね。現代社会は「8×８＝６４」の世界観で構成されているが、真の調和の社会は「9×９＝８１」の世界観であるはずなんです。聖徳太子が気付き、十七条の憲法を唱えたように、「１７」の世界観が不足している」
五島「なるほど、おっしゃるように、日本人の思想、倫理観、哲学、政治の在り方の根本は聖徳太子に倣うべきです。特に十七条の憲法に示された道徳の精神は世界に冠たるべきものです。歴史波動学から見ると、混乱期に聖徳太子を摂政にしたのは、女帝・推古天皇でした。このことからも、政治がおかしくなると、まずリーダーシップを持つ女性が現われて、そのもとに英雄が出現することになるでしょう」
＊日本の歴史波動→日本の歴史の基本となる波動点は645年の大化の改新前後であることが判明している。それを出発点とした波動グラフがある。この歴史波動を見ると、現在は精神的な豊かさを追求する時代であることを示している。