(22)「マイナス金利」の効果は金庫の販売台数増加だけ
国際ハザールマフィアは資金源を絶たれている。それだけに日経株価は最後の頼みの綱となる。どうしても上げろ、と命じられて安倍政権は日本最大の財産である郵貯マネー、「ゆうちょ」「かんぽ」「農林中金のJAマネー」「年金マネー」まで突っ込んでしまった。「郵貯」は貯金残高177兆円、「かんぽ」は総資産90兆円、農林中金は80兆円、これに年金が180兆円でトータルで520兆円を安倍政権は「アベノミクス」と言う経済詐欺のために国際ハザールマフィアに差し出したのである。
それでどうなったのか? 安倍政権は2014年10月に、年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用比率を変えて総資産の約半分を株式市場に当てたのである。その結果、21兆5000億円に上る損失を出した。これで日本の年金は破綻した。
国民の大切な年金を預かるGPIFは、それまで日本国債や地方債と言った国内債券をメインに運用して株式市場へは3割程度に留めていた。それを無理やり変更した挙句の損失である。即座に総退陣すべき失政である。
安倍政権の売国行為は、それだけにとどまらない。2015年9月には「ゆうちょ」と「かんぽ」を同時上場し、いつでも外資が買収できるようにした。この前後にはJAバンクもTPPに併せて農協解体を閣議決定している。これで2019年までに農協は一般社団法人になる。当然、JAマネーは株式と言う賭場のタネ銭になることが決まったのである。
そして2016年1月29日、「マイナス金利」も受け入れた。この政策は民間銀行が日銀に預けている当座預金の一部の金利を「現在のプラス0・1%からマイナス0・1%に引き下げる」と言うもので、2016年2月16日からは日銀が民間銀行に利息を払うのではなく逆、0・1%の手数料を徴収するのである。つまり、日銀に預金を預けて置けば置くほどお金が目減りして、民間銀行にとって損が生じることになった。そうなれば、民間銀行は利益を確保するために、企業などへ貸し出しや投資へと資金を回すはずであり、実体経済を刺激するだろうと言うものである。簡単に言えば、銀行に預金しても金利がマイナスなので、どんどん減っていく。だから株式市場に投資した方が有利ですよ、と言う政策だが、「絵に描いた餅」となるのは間違いない。
マイナス金利は金を貸した方が金を払う。貯金すれば目減りするのである。これは経済と言うか、一般常識からも逸脱している。金融制度自体の信用を損ねる。実際、マイナス金利の発表後、売れているのはタンス預金の金庫だという。貯金を引き出して現金を持つ人が増えれば、その金は死蔵される。デメリットの方が大きくなる可能性が高い。それでも、日銀、いや、安倍政権がマイナス金利を行ったのは、それしか国際ハザールマフィアに貢ぐ手段が無くなったからである。安倍政権と言う生命維持装置で国際ハザールマフィアは延命している。ここに安倍政権の問題があるのである。
今の日本は、物凄い勢いで貧困層が増えている。だが、あれほどいたホームレスが街から消えた。ベンジャミン氏は気になって調べたところ、ホームレスを連れて行けば「一人当たり5万円」の報奨金で収容所にあつめて、目立つ場所から消していたのである。
日本の貧困を測るバロメーターがある。AV女優のルックスが良ければ良いほど、その国の景気は悪いという。景気と風俗嬢のルックスが反比例するというのである。風俗で働くのはお金が必要だからだ。景気が良ければ、風俗で無くても稼げる。逆に景気がいい時は、「かわいくない風俗嬢」でも稼げるのである。この視点で日本の風俗産業を見ると、女性アイドルとAV女優のルックスに差はない。美人度合いで言えば、AV女優の方が上と言うのが定説である。それで、アイドルやモデル顔負けのAV女優や風俗嬢の儲けはどうか? ベンジャミン氏も驚いたそうであるが、フルタイムで働いても月20万円を稼ぐのが精一杯だという。それでコンビニなどでバイトしないと生活できないというのである。
2006年、風営法(風俗営業法)が大幅改正になり、店舗型は原則禁止となった。新規店はすべてデリバリーヘルス(派遣型)に切り替わったらしい。デルヘルの場合、自宅待機でギャラはゼロとなる。デルヘルの相場は1時間1万円で女性の取り分は半分の5000円を切る。月働いても30万円稼げないのである。しかも風俗を希望する女性は沢山いて過当競争になる一方、肝心の男性客は減っている。そのため、「それなりにかわいい程度」だとバイトしなければやっていけないという。2006年以降、ごく普通の女性の割合が増えているという。これにも理由がある。その一つが大学の奨学金制度の改悪の影響である。
2001年、小泉政権下で未納問題があった育英会の奨学金制度を廃止して公金を貸し付ける「学生支援機構」に移管した。それで多くの学生が400万円から800万円の借金を抱えて社会人になった。育英会の奨学金は、学費免除の給付型や返済免除項目もたくさんあったが、審査条件が厳しく2割程度しか受給できなかった。だから親の世代は奨学金を借金とは考えず、子供が奨学金で進学したいと言えば賛成した。ところが学生支援機構の奨学金は、年金などの公金を貸し付ける「借金」であり、税金と同じ扱いとなる。つまり、公権力が取り立てている。新入社員になったばかりで国家に800万円の借金をした現実に気づけば、風俗で働くしかないと選択する人(女の場合)がいても、また風俗に行かなくなる人(男の場合)がいても当然である。
女性に関心のない男性を「草食系」と呼ぶが、その言葉が生まれたのが2006年である。2015年以降、奨学金受給者は5割に達した。公権力で強制徴収出来る強みなのであろうか、消費者金融より簡単に貸してくれるという。こうして「奨学金で大学に行って勉強しよう」と言う真面目で優秀な学生の多くが借金漬けの奴隷となっている。
奨学金と言う名の「国家の闇金」で借金漬けにされた学生たちはどうなるか? その答えはアメリカ(アメリカ軍隊制度)にある。アメリカ大学の学費が高すぎて奨学金で借金漬けになった学生は、その返済免除になるのが軍隊である。こうしてアメリカ軍は人材を確保している。間違いなく日本も追従するはずである。今や何十万と言う大卒の「借金奴隷」がいる。自衛隊をイラクに派兵する時、現地基地までの輸送や基地内業務をすれば返済を免除すると言えば、人員はいくらでも集まる。日本に極右の軍事政権が出来れば、間違いなく、その先兵になるのは彼等「借金奴隷」である。既に日本を軍事国家にする下準備は終わっている。