(48)「未来記」第九章 終末国際世界の預言」
(歴史的現代→世界)
片手で世界平和を唱えながら、片手でミサイルと爆弾の雨を降らすアメリカは、それが矛盾ではなくなっている。
「対テロ戦争」の美名は、アメリカの世界戦略のごまかしに過ぎない。その裏にあるのは、イスラム教の排斥である。21世紀に蘇った「新十字軍」ということである。
アメリカが唯一の正義であり、アメリカに反対する国々や支持をしない国々を敵、あるいは非協力国家として格差をつける手法がまかり通ってきた。
これと同じ手法を選挙に用いたのが小泉純一郎である。彼は単純化した「抵抗勢力」の名で反対派を十把一絡げで切り捨て、正義と悪の対立軸で民主党をも巻き込んで切り捨てた。
その単純二極化選挙にマスコミが飛びつき、多くの選挙民が喜んで自民党に票を入れた。ブッシュジュニアは福音派のキリスト教徒だが、イエス・キリストが十字軍を組織せよと言ったは、「新約聖書」のどこにも書かれていない。むしろ敵の為に祈れと言っている。
「あなた方も聞いている通り、「隣人を愛し、敵を憎め」と命じられている。しかし、私は行っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。あなた方の天の父の子となるためである。父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。自分を愛してくれる人を愛したところで、あなた方にどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか。自分の兄弟にだけ挨拶したところで、どんな優れたことをしたことになろうか。異邦人でさえ、同じことをしているではないか。」(新約聖書「マタイによる福音書」第5章43~47節)
ブッシュジュニアは、キリスト教原理主義者というが、原理主義ならなおのことイエス・キリストの言葉を捻じ曲げている。ブッシュジュニアは、祈りを唱えながら正法から外れ、行動をもって背いているのである。
事実、言葉をいくら飾っても、イラクは大量破壊兵器など持っていなかった。これは明らかにアメリカの暴走である。指導者にあってはならない軽薄さであり、それでどれだけの人間が亡くなり、これからも亡くなっていくのだろうか?
CIAも大量破壊兵器がイラクに無いと報告していたが、ブッシュ政権はそれを無視した。そうならブッシュジュニアはまともな大統領ではない。
ところが最初にアメリカを変貌させた大統領がいる。ビル・クリントンである。
1998年、秘書のモニカ・ルインスキーと密通し田事件が発覚するや、クリントンは国民の目を逸らせる為、同年8月21日に宣戦布告無しで、アフガニスタンとスーダンに向けて100発近い巡航ミサイル「トマホーク」を発射した。
宣戦布告無き暴挙の名目は、「テロリストの本拠地を攻撃しただけで、国家への攻撃ではない」である。それは詭弁以外の何物でもなく、最初に対テロ戦争に向かった男こそ、ブッシュジュニアの前の大統領だった。
まさに「未来記」が記す最初の悪僧、女と寝る一遍がクリントンとなり、それに続く日蓮に象徴される悪僧がブッシュジュニアとなる。
事実、ブッシュジュニアは、アメリカに反対する国を喩え同盟国でも排斥の対象とし、イラク戦争に徹底反対を表明したフランスとドイツと対立を深めていった。そしてこれがやがて致命的な問題に発展していくのである。